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『新感染 ファイナル・エクスプレス』韓国発のゾンビ映画は想像以上に面白かった!

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以前から入ろうと思っていたネットフリックスについ最近入会しました。入ってみるとまぁ出るわ出るわ面白そうな作品の数々。ガチでコンテンツ消化してるだけで娯楽必要ないんじゃね?っていうレベルで面白そうな作品がたくさんあっていい意味で驚きがありました。

 

で、何見よっかなーって色々探してたところ「あー、これ前から観たかったんだよね」と思ってたのが今回ご紹介する『新感染 ファイナル・エクスプレス』という作品です。本作は2016年に韓国で公開、日本では2017年に公開されています。

 

 

監督はヨン・サンホ。証券マンでスアンの父親ソ・ソグを演じるのはコン・ユ。ソグの娘スアンをキム・スアン。ガタイのいい男性客ユン・サンファをマ・ドンソク、その妻ソンギョンをチョン・ユミが演じています。

 

ここからは本作のあらすじや概要についてお伝えしていきます。

 

 

あらすじ、概要

ソ・ソグは証券マンとして忙しい日々を送っていた。そのため家族との生活は後回し。妻とは別居中で一緒に住んでいる娘のスアンの授業参観にも参加できていない。おまけに娘の誕生日プレゼントに以前贈ったものと同じものを贈ってしまうというありさま。父と娘の間には距離ができていた。スアンは誕生日に母親に会うことを希望する。ソグは忙しいこともあり別の日にしようと提案するが、娘に押し負けて翌日釜山行きのKTX101列車(日本でいう新幹線のようなもの)に乗り込んだ。やがて列車が出発するのだが、列車の発車直前に乗り込んできた女の様子がおかしい。それを見た女性乗務員は体調不良の乗客かと思い、近くに駆け寄ると突然女が乗務員にかみついた。噛みつかれた女性は死亡したかに見えたがすぐに復活し、女と同じように周りの人間を襲い始めた。かまれた人間はゾンビ化してしまうのだ。その数はあっという間に膨れ上がり、ソグとスアンの親子にも魔の手は迫っていた。

 

ここからは本作を観た感想について書いていきます。

 

※ネタバレアリなのでよろしくお願いします。

感想 

ゾンビ好きとしてとても楽しめる作品だった!!

僕は映画をはじめ漫画やゲームなどゾンビが出てくる作品が好きで、結構チェックしてるんですね。言ってしまえばゾンビに魅せられていると言ってしまってもいいかもしれない・・・。そういう人間からしてもこの『新感染』という映画はゾンビ好きとしてとても楽しめる作品でした。

 

本作は「噛まれたらゾンビになる」とか「ゾンビはちょっとやそっとじゃ死なない」「ゾンビになると一気に知能が低下する(身内とか関係なく襲う)」といった従来のゾンビのセオリーは踏襲しつつ、ゾンビ映画として恐さや緊張感を生み出すためにいろいろな工夫がこらされています。

 

まずその一つに「ゾンビが走ること」があります。もちろんこれまでのゾンビ映画にも走るゾンビは登場しました。『28日後』とか『28週後』に出てくるゾンビなんかは有名ですね。ノロノロと歩きながら迫ってくるゾンビは不気味ではあるけど、距離が遠い分にはそれほど脅威を感じさせませんが、走ってくるとなると話は別です。あっという間に危機が迫ってくることで生まれる緊張感は走るゾンビならではのものだと思います。

 

その緊張感がさらに高まるのが、本作がほぼ密室である列車を舞台にしているからなんですね。ちょろっと想像してみてください。ただでさえ列車の通路は狭いし、走っている最中はほぼ外に出ることはできません。しかも、最終的には端っこで行き止まりになってます。そんな中でゾンビが走りながら迫ってくるんですよ。しかも、感染者をどんどん増やしながら大量に追っかけてくる。これ実際に追っかけられたら気が気じゃないだろうし、観ている側も「うわぁ、喰われる!!」と手に汗握る展開が生み出されるわけです。舞台を列車にしたのは大成功だったんじゃないかなと思います。

 

個人的に面白いなと思ったのは、「ゾンビが暗闇だったり視界をふさがれると人間を認識できなくなる」という設定と、「ゾンビは音に反応する」という設定です。

 

本作の舞台は韓国なので一般人が銃火器を持っているようなことはほぼありないので、一体のゾンビを倒すのも容易ではありません。生き残るためには基本的に戦うよりも逃げるを選択する方が賢明です。そこで、先述した設定が武器のない舞台において生き残るために大事になってきます。

 

この設定を活かして主人公たちがどのように窮地を切り抜けるのかはぜひ本編を見てほしいところですが、難易度はそれほど優しくもないので「失敗するかもしれない・・・。」という程よい緊張感は失われていないのが見事だなぁと思いました。

 

自分だけがよければいいという社会や人への批判が込められている

ゾンビ映画のジョージ・A・ロメロのゾンビ映画では、その時々の社会や人々への批判や風刺の意図が見て取れますが、本作も単なるサバイバル映画ではなく、物語を通じて観客や社会に対しての批判が込められていると思います。その批判は「自分さえよければ他人はどうでもいいのか?」というシンプルなものです。

 

まず、主人公のソグは自分(正確には自分と娘)さえよければ他人はどうでもいいという典型的な自分本位の人間です。そのため列車内でも自分や娘が生き延びるために他人が窮地に陥っているところで見捨てようとしますし、娘のスアンが年配の女性に席を譲ろうとした時も「そんなことするな」と娘をたしなめています。他人を助けたり、他人のために何かをしようとすることを愚かだと思ってすらいます。特に物語の前半ではそれが顕著に出ていて、はっきり言って非常に嫌なヤローです(笑)

 

ただ娘のスアンがそんなソグのことを「おばあちゃんと一緒」と言ってたので、もしかすると彼自身は母親から「自分のことだけを考えろ」とか「他人のことなんか助けるな」みたいな教えを受けてきたのかなーと思ったり。その辺りは本作では描かれていませんが、だとすると親からの教えって時に呪いにもなるのだと思います。

 

そんなソグも過酷な状況の中自分や娘が他の乗客たちに助けられていく中で、少しずつ自分だけでなく他者のことを考えるようになります。もちろん下手すれば殺されるかもしれない状況において、自分のことだけを考えてしまうのは無理のないことかもしれませんけどね。はたして僕が同じ状況だったら、他者のことを助けられるのだろうか?と考えてしまいます。でも、少なくとも他人を切り捨てて自分さえよければすべてよしみたいにはなりたくないなぁ。

 

そしてこの批判でありメッセージは個々人だけでなく社会に対しても向けられていますよね。韓国は日本以上に学歴社会で競争も激しく大企業に入るためには他者より抜きん出なければなりません。格差も広まり本作のソグのように裕福で立派な家に住んで結婚もできる余裕がある人がいる一方で、恋愛、結婚、就職などあらゆるものを諦める人たちも出てきているとのこと。

 

参考記事:https://gendai.ismedia.jp/articles/-/68295

 

そういう社会はまさに「自分さえよければ他人なんてどうでもいい」というものですよね。ゾンビという存在もまさにそうで、自分の食欲(欲望を満たす)ためだけに、他人のことなんて一切気にしません。ほらっ、お前らもこのゾンビたちと一緒じゃないか、この社会もゾンビみたいなもんじゃないか。そんな風なメッセージを監督は伝えたいんじゃないかと思いました。

 

まとめ

今回は『新感染 ファイナル・エクスプレス』を紹介してみました。グッとくるシーンもあり、憤りを感じたりハラハラドキドキする場面もあり、とても楽しめる作品だったと思います。ゾンビ好きはもちろんのこと、ホラー好きやサバイバル好きな人なんかも楽しめる作品だと思うので、興味がある方は是非ご覧になって観てください。