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『パラサイト 半地下の家族』カンヌ映画祭でパルム・ドールを受賞した話題作!!

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前々から観たいと思っていた韓国映画『パラサイト 半地下の家族』を観てきました。結論から言うとメッチャよかったです!!2時間以上ある映画ですが、ほんと最後まで飽きずにむしろあっという間に終わってしまった作品でした。いやぁ、良かった。ということで今回はこの作品について紹介していきます。

 

 

本作は韓国の映画です。韓国で2019年に公開。日本でも2019年の12月に限定公開され一般公開は2020年1月からです。

 

監督は『殺人の追憶』や『グエムル 漢江の怪物』のポン・ジュノ。脚本はポン・ジュノとハン・ジンウォン。

 

半地下で暮らす失業中の家族の父親キム・ギテクを演じるのは、ポン・ジュノ監督作品への出演も多いソン・ガンホ。ギテクの息子で受験に失敗し続けたギウをチェ・ウシク。同じくギテクの娘で美大を目指すキジョンをパク・ソダム。ギテクの妻で元ハンマー投げの選手チョンソクをチャン・ヘジン。キム一家がパラサイトする金持ちの家の主人でIT社長パク・ドンイクをイ・ソンギュン。ドンイクの美形の妻ヨンギョをチョ・ヨジョンが演じています。

 

あらすじ、概要

キム一家は家族みんなが失業中で、現在はピザの箱を作る内職で細々と日銭を稼ぎながらどうにか暮らしていた。そんなある日のこと、長男のギウのもとに大学に行った友人のミニョクが訪ねてくる。ミニョクは留学する自分の代わりに、IT企業の社長であるパク・ドンイクの娘ダヘの家庭教師をしないかと持ち掛けてくる。経歴を偽り大学生として面接を受けギウは無事家庭教師となる。家庭教師として働き始めたギウはドンイクの妻のヨンギョから幼い息子ダソンの美術の家庭教師を探していることを聞きつける。家族であることがばれると、自分の経歴が嘘であることもバレてしまうため、あくまで赤の他人という設定で、自分の妹キジョンをアメリカ帰りの美術教師として紹介。キジョンも家庭教師として働くこととなった。パク一家から支払われる給料の良さを目の当たりにしたキム一家は、続けて父親のギテク、母親のチョンソクをパク家に送り込むために動き出すのであった。

 

※ここからはネタバレもありますのでご了承ください

 

感想

予想もつかない急展開に最後まで目が離せなくなる!

本作を観てパッと思いついた感想は「やべー、これ最後どうなるのか全く予想つかない!どうなるんだ!?」というものでした。序盤、中盤、終盤にかけてしっかりと笑いやハラハラドキドキの展開もいれて楽しませつつ、でもラストがどうなるのかわからない。もう目が離せないんですよね。最初から最後まで。2時間超ある作品なんだけど最後まで飽きないわけですよ。これスゲーなと思いました。

 

あらすじにも書いたように序盤はね、貧乏な家族が段々金持ちの家族の家に入り込んでいくっていう、どこかで聞いたことがある話ではあるんですよね。もちろん、そのお話自体もキム一家の悪知恵というんでしょうか、嘘やテクニックを駆使して巧みにパク一家に取り入っていく過程は「こいつら悪いなー」と思いつつも憎めないし笑ってしまう要素も盛りだくさんでクスっと笑ってしまいます。

 

そこから中盤にとある出来事が起こってからまさかの急展開を迎えます。この作品は格差をテーマにした作品ですが、序盤のどこかほのぼのとしたムードから一気に緊張感が高まっていき、テーマである格差の部分がより浮き彫りになってきます。

 

そして終盤!!ここからどうなっちゃうの?とますます目が離せない中で迎える衝撃的な出来事。そしてラストにはさらに「マジか・・・」と思わずつぶやきたくなる展開が。そしてエンディング。

 

何だろうこの気持ちは。悲しみに浸るわけでもなく、かといって明るい希望を胸に抱くでもない。なんとも複雑なそんな気持ち。もしかしたらこれは「すごいもんを見せられてしまった」という衝撃によって僕の脳が混乱しているからなのかもしれないけど、それぐらい終わった後にズッシリと胸に残る何かがあった。そんな作品だったと思います。

 

注目は階段と坂とにおいに注目!!

本作は格差をテーマにした作品ですが、それをうまく表現しているのが階段であり坂でありにおいです。

 

お金持ちのパク一家の家は長い階段を上った高台のさらに坂道を上ったところにあります。これはまさに格差のピラミッドの上の方に彼らがいることを表現しているわけです。一方、貧乏なキム一家の家はというと階段を下り、さらに坂道を下った先の建物のさらに半地下の場所にある。その高低差たるやすさまじい。パク一家にはキム一家のような下層にいる人たちの姿が見えないんですね。

 

そんな格差を象徴するのが物語の中盤に起こったとある出来事です。大雨の日にキム一家の3人、父親と息子、娘はパク家から自分たちの家に歩いて帰ることになります。高台にあるパク家からはるか遠くにある自分たちの家へ階段や坂を下って帰っていくシーン。これはもうまさに上層から下層へと転落していく様子を表しているんですよね。

 

そして、坂の下の半地下にあるキム家には雨によって大量の水が流れ込み、家は浸水してしまいます。もはや家で寝ることすらままらない彼らはその日避難所で一夜を過ごすことになります。その翌日ですよ。彼女はとある場面でこんなことを言うんですね。昨日の雨はめぐみの雨だった。なぜならPM2.5が飛ばないから。不幸中の幸いであったと。

 

高台にあるパク家にとっては昨夜の大雨は何ら悪影響がなかったわけですね。むしろ空気がきれいになってよかったじゃないかと。一方、半地下のキム家にはとてつもなく悪影響だったわけです。ヨンギョがいった恵みの雨という表現。確かにお金持ちにとっては恵みだった。でも、その一方でキム家のような人たちにとっては自分たちの家や下手すれば命すら奪いかねない災害そのものだったわけです。不幸中の幸いの幸いの部分はパク家のような人たちに、不幸の部分はキム家のような人たちに。そして、その不幸がパク家のような人たちには全く見えていない。だから、ヨンギョはサラっとあんなことを言えてしまう。

 

階段や坂を使ったこの巧みな演出に、「うわー、すげぇな・・・」と映画を観ながら感心してしまいました。

 

そして、もう一つ注目してほしいのがにおいです。これもまた格差をうまく表現するものとなっています。

 

最初はねどちらかというと笑える場面でにおいについて触れられます。それは、パク家の幼い息子ダソンが家にいるギテクやギウらに対して「みんな同じにおいがする」というんです。これって当たり前ですよね。だって、彼らは同じ半地下の家に住んでいて同じ洗濯機で同じ洗剤で服を洗っているわけですから。むしろ、このあと半地下の家でおんなじにおいがするっていうなら洗濯どーするよ?みたいな作戦会議が始まって、家族であることがバレないための、ちょっとした試練となるわけです。

 

ところがその後にこのにおいが終盤の衝撃的な出来事に繋がるキーワードになっていくんですね。さすがにこれを言ってしまうとおしめぇよという部分なので言いませんが、まだこの映画を観ていない人はぜひ「におい」という単語に注目してみてください。最後まで観るとああ、そういうことか!!というのがよくわかってもらえると思います。

 

2020年に観るであろう映画の中でもかなり上位に来る気がする

この記事を書いているのが2020年の1月16日とかなので、ぶっちゃけまだ今年始まったばっかじゃないかとも思うんですが、本作はあくまで自分の中ではありますが2020年に観た映画、あるいはこれから観るであろう映画の中でもかなり上位に来る作品だと思いました。

 

エンタメ性、テーマ、演出、俳優の演技などなど、僕は評論家でも何でもないし映画の勉強をがっつりしてきたわけでもないけど「この映画スゲー!!」って思わせてくれましたからね。ほんと見事という表現がピッタリだと思います。

 

2020年に観た映画でよかったものをいくつか挙げよと言われたら間違いなくこの『パラサイト 半地下の家族』は挙がります。あくまで個人の感想ではあるんですけどね。でも、行くかどうか迷っている人がいるならぜひ行ってほしい。観て損はしない映画だと思います。

 

まとめ

今回は『パラサイト 半地下の家族』を紹介してみました。もう言うことはありません。迷っているなら映画館へゴー!!それだけです。ぜひ、劇場でご覧になって観てください。お金を払う価値のある作品です!!