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『JAWS ジョーズ』若きスピルバーグの名を世に知らしめた記念すべき一作!

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スティーブン・スピルバーグと言えば今や映画界屈指のヒットメーカーであり、誰もが知る有名監督ですよね。その彼を一躍有名にしたのが今回紹介する『ジョーズ』です。1975年にアメリカで公開され、同年日本でも公開されています。

 

もちろん監督はスピルバーグ。脚本は原作者のピーター・ベンチリーとカール・ゴッドリーブが担当。主役の警察署長ブロディを演じるのはロイ・シャイダー。サメ退治に乗り出す地元の漁師クイントをロバート・ショウ。ブロディとクイントとともにサメ退治に出かける海洋学者フーパ―をリチャード・ドレイファスが演じています。

 

まずは作品の概要やあらすじをお伝えします。

 

 

概要、あらすじ 

舞台はアメリカ東海岸のアミティ島。夏になると観光客が訪れるこの島で警察署長を務めるブロディが主人公。ブロディは犯罪が多いニューヨークでの生活にうんざりしてこののどかな島に映ってきた。ところがある日そんな島で事件が起きる。島の浜辺で無残な女性の遺体が発見されたのだ。検死の結果サメによる襲撃と判明したため、ブロディは海での遊泳を禁止しようとするが、島では観光が唯一の収益源となるため経済面での損失を恐れた市長や島の有力者たちはブロディが海を閉鎖することを許さなかった。その後、第二、第三の犠牲者が出たことで、市長は意見を変えブロディが訴えるサメ退治の必要性を認める。ブロディは島の漁師クイントを雇い、島外から呼んだ海洋学者のフーパ―とともに三人で巨大なサメを退治に出かけるのだった。

 

ここからは本作を観た感想や雑学をお伝えしていきます。

 

※ネタバレアリなのでよろしくお願いいたします。

感想

今観ても怖い!!恐怖演出が見事!

ジョーズといったらサメ!というぐらい有名な作品なので、サメに襲われるっていうことはみんなもうわかりきってるじゃないですか。実は、僕自身「ジョーズ?あー、サメに襲われるやつだよね。」という知ったかぶりもありまして、大人になるまで観なかった作品だったんです。何に襲われるか正体分かってるんじゃ恐くないよねなんて思ってたわけです。なめてましたねー。

 

ところが今この作品を観てみるとちゃんと怖いんですよ。その理由っていうのは2つあると思ってて1つはサメの姿を見せなかったことなんじゃないかと。これはスピルバーグ監督がDVD特典のインタビューでも言ってたことなんですが、本作では物語の後半までサメの姿がほとんど見えないんですよね。見せないことで観客の想像力を刺激して恐怖心を喚起するっていうやり方ですね。

 

人ってやっぱり見えないもの、得体のしれないものに対して恐怖を感じるじゃないですか。夜道歩いてたら明かりが届かない真っ暗な場所に「なんかいそうだな」って怖くなることがあるし、川とか海でも底が見えるきれいなところだったら安心するけど、濁ってて水中に何があるかわからない場合不安になるでしょ?そういう見えないことで僕らが勝手に想像し恐怖心を膨らませていってしまう。このジョーズという映画はそうしたシンプルなんだけどすごく大事なことをちゃんと取り入れている作品だと思います。

 

あと、もう一つは音楽による恐怖演出ですね。本作では後にもスピルバーグ監督と組むことになるジョン・ウィリアムズという人が音楽を担当しています。ジョーズと言えば「ドゥドゥンドゥドゥン」という音楽とともにサメが迫ってくるのがあまりにも有名ですが、この音楽を取り入れたのがジョン・ウィリアムズです。

 

ちなみにこれは雑学なんですが、映画評論家の町山智弘さんの解説によるとこの音楽はロシアの作曲家ストランヴィンスキーのバレエ音楽『春の祭典』の一部分をそのまんま持ってきているそうです。

 

町山さんの解説:https://www.youtube.com/watch?v=x4n4vp42__8

 

考えられているなと思ったのは、DVD特典でジョン・ウィリアムズが語っていたことなんですが、この音楽が鳴ることで観客はサメが来ると勝手に予想しちゃうわけです。物語が進んでいくうちに音楽=サメの登場と条件付けられちゃうんですね。ということはですよ。音楽が鳴ってないところで海中からザバッとサメが姿を現したら完全に意表をつかれてびっくりするじゃないですか。実際作中にそういう場面があって僕なんかは体がビクッとなって「うぉ!!」と声をあげて驚いてしまいました。

 

ちょっとした見せ方や音楽の使い方次第でこうやって、人に恐い思いをさせられるんだなと改めて勉強になりました。

 

過去を乗り越えようというメッセージが込められている

警察署長のブロディは水が怖いんですね。なぜかというと、子どもの頃に溺れたことがあるからなんです。そんな彼が周りに水しかない海という舞台でサメと対決することになる。これは、そういう彼の姿を通じて「過去を乗り越えよう」というメッセージが込められているのだと思います。

 

とはいえ、そう簡単に過去の恐怖やトラウマを乗り越えることは難しい。ブロディもサメとの対決に向けて乗り込んだ船の中では慌てふためく場面が見られますし、あまりにも巨大なサメの姿を目の当たりにして無線で救助を呼ぶなど弱腰な姿勢も見られましたからね。子供のころから怖いとなればその恐怖心は相当なものでしょう。

 

そんな彼が家族のため、あるいは島民のために大海原にてサメと対峙していく。この姿を見ることで観ている側もブロディと同じく自分の過去と向き合うことができるのではないかなと思います。ラスト「ああ、ここで完全に克服したな」っていう場面は観ていてスカッとするものがあります。

 

ただ、欲を言えばブロディは水が怖いという設定ならばもう少しそのこわがりっぷりを際立たせた方が過去の自分に打ち勝つ感じが出たのかなぁと思ったり。観てると意外とに海辺とか水の側まで行けちゃってたりするんですよね。うーん、でも海水客が襲われてても海に入って助けに行かせないことで、水が怖いということを暗に伝えようとしていたのかな?その辺りは想像するしかないのですが、個人的には水に対して後ずさりするとか硬直しちゃうぐらい分かりやすくてもよかったのかなと思いました。

 

雑学

ジョーズはサメという意味ではない。

僕らはジョーズという単語を聞いたとき当たり前のように本作のサメを想像しますが、ジョーズってサメって意味じゃないんですよね。ジョーって顎って意味で、上下の顎で複数形のジョーズになったわけです。

 

でも、本作がヒットしそのインパクトがあまりにも強かったためみんながジョーズ=サメと勝手に想像するようになったんです。本作の影響力がいかにすごかったのかがよくわかるエピソードですね。

 

アクシデントの連続でスケジュールが伸びてしまう

本作では機械で動くサメを作って撮影をしています。ただ、海という過酷な状況下での撮影のためか最初の方はサメがロクに動かなかったんだそうです。それも数カ月にわたって。

 

他にもブロディたちがサメ退治で使用した船が、撮影中予期せぬところで穴が開いて沈みかけたり、シーンとシーンの繋がりをちゃんとするために、余計なものが移っていたらNGにするなどして、撮影は全く計画通りにいかなかったとのこと。いつ撮影が終わるのかと不安になるスタッフもいたそうです。

 

スピルバーグ監督はこの時28歳だったのですが、相当ビビったでしょうね。俳優や製作陣はほとんど自分より年上で経験も実績もある人たちばかりでしょうから。僕ならプレッシャーに負けて降板してしまいそうですが、最後まで乗り切ったのはさすがだなぁと思いました。

 

まぁ、こういうエピソードを知るとスピルバーグほどのすごい監督でも初期のころは失敗だったり、うまくいかないこともあったので自分が失敗するのなんて当たり前じゃんと思えるようになるかもしれませんね。

 

まとめ

今回は『JAWS ジョーズ』を紹介してみました。

 

1975年の作品とはいえ、今でも十分楽しくそして恐さを味わうことができる作品です。スピルバーグ監督のその後作品にも共通する要素がたくさん含まれているので、その辺りもぜひチェックしてみてください。