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『トーキョー無職日記』大学を辞めて無職になった青年の奮闘記!!

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誰にだって若いころはあり、周りを見ては「自分はこのままでいいのだろうか?」「自分はこの先どうしていけばいいのか?」といったことを考えるのではないでしょうか?漠然とした将来への不安、焦燥感、周りとの比較からくる劣等感などなど、特に若いうちはそういった感情に振り回されて自分を見失ってしまいがちな気がします。

 

さて、今回紹介するのは、そんなどこにでもいる若者が主人公の漫画です。

 

著者のトリバタケさんは大学を中退後上京。アルバイト生活を経てイラストレーターや、漫画家、キャラクターデザインなどをされています。本書は、そんなトリバタケさんが上京して無職だった時の経験を基にして描いた作品です。

 

今回はこの作品について紹介していきたいと思います!!

 

悩める若者の繊細な心理を丁寧に描いた作品!!

本作は完全にノンフィクションというわけではありませんが、ご自身の経験を基にされているというだけあって、主人公ハルオの心理というのがとても丁寧に描かれています。

 

ハルオは大学に4年通って中退して無職になった若者です。その後上京してくるわけですが、東京には同郷の友達が数人いる程度で何のアテもないわけです。

 

ハルオはその後ネットを通じて友達ができたりするわけですが、それでも彼の生活は順調というわけではないんですよね。周りを見てはへこんだり、嫉妬したり、「やっぱり自分はダメなのかも」とせっかく上京してきたにもかかわらず諦めそうになったりね。

 

悩んではちょっと行動してまた悩んで落ち込んで開き直ってまた行動。ようやく展望が開けてきたかと思いきや、またふさぎ込んだりと三歩進んで二歩下がる状態なんですよね。その様子が、読者からするとじれったい(笑)

 

ただ、このじれったさというのかな、ゆっくり進んでいく感じっていうのがすごくリアルな感じがするんですよね。「ああ、等身大の普通の若者を描いてるな」って感じがして、すごく共感できるというか、彼のことを応援したくなるんですよね。そんなことをこの作品を読みながら感じました。まぁ、中には「こいつ何かウジウジしてるな」って感じる人もいるかもしれないけど。

 

おそらく、今なかなか前に進めずに行ったり来たりしている人は、この作品を読むと結構ハルオの悩みに共感すると思いますよ。過去を思い出しては後悔とか人と比較しては落ち込むとか、ちょっと繊細な若者の心理をとてもうまく表現している作品だなぁと思います。

 

これから何をしようか悩んでいる人のヒントになるかも?

あと、もう一個思ったのは「この作品はこれから何したいか悩んでる人の役に立つかもなー」ってことでした。というのも、主人公のハルオはまさに「自分が何をしたいかわからない」青年でそこから自分のやりたいことを発見したからです。

 

ハルオは大学に4年通ったけども、面白さを感じることができず途中からほとんど家に引きこもってはゲームで現実逃避の日々を送っていました。ベッドで寝ていても考えることは悲観的なことばかり。おそらく彼の精神状態はかなり悪かっただろうし、人生を悲観していたわけです。かなりどん底な感じだったのが作中伺えます。

 

で、彼は目を閉じながら自分の過去のことをいろいろ考えるんです。自分はあんな性格で、こんなことをしていて、あんなことが楽しくてあんな夢があって・・・。そう、そこで、彼は忘れかけていた自分の夢に気づくんですね。それが漫画家だったというわけです。

 

「そうか!自分が本当にやりたいことって漫画家だったんだ!!」

 

自分のやりたかったことに気づいたハルオは、大学を辞めて東京に出てきました。ここにヒントがあると思うんですよね。

 

僕たちって大人になるにつれて、だんだん本当にやりたかったことを忘れていくんじゃないかと。ある人は親から無理だといわれ、ある人は友達や知り合いに馬鹿にされて、何となくやりたいことを奥へ奥へと押し込めていってしまう。本当はこれがやりたいというものがあったはずなのに、気づかないふりをしていってしまうわけです。

 

で、人によってはハルオのように今やってることに興味も楽しみも見いだせずに引きこもってしまったりふさぎ込んでしまったりするわけですね。

 

そんな時はいったんハルオのように「過去に楽しかったことは何だろうか?」と考えてみるといいんじゃないでしょうか?思い出に浸るとかじゃなくて、「自分がこれやってた時は充実してたし周りからも認められてたな」みたいなことです。

 

ハルオの場合は絵を描くことやマンガを描くことで人に褒められたりして楽しかったわけですが、きっとそれって一人一人違うと思うんですよね。人によっては物を作るのが楽しいのかもしれないし、人の手伝いをするのが楽しいのかもしれない。料理や物を作るのが楽しいのかもしれないし音楽、文章などなど千差万別なはずです。そういうものを再確認するんです。

 

で、そこからちょっとだけ行動に移してみると。ハルオの場合いきなり「大学を辞めるぞ!」と大胆な行動に出たわけですけど、そこまで踏み込めないかもしれない。でも、小さな一歩を踏み出すことは大事です。それが、「久々にノートに絵を描いてみる」とか「本を読みながらちょっとした料理を作ってみる」とかでもいいんです。ほんのちょびっとの行動ですよね。

 

ハルオ自身も、大学時代は引きこもって家でグルグルと悩み続ける日々でしたが、東京に出るという行動をしたことで周りの環境も変わり、停滞していた世界が少しずつ動き出してきたわけです。まぁ、いきなり上京は本と大胆だとは思いますけどね(笑)ただ、動かないことには何も起こらない、逆を言えばハルオの行動は「ちょっとでも動いたら何かが起こるかもしれない」ということを改めて教えてくれたよなぁと思うんですよね。

 

ですから、ちょっとこれからどうしようか、何をしていこうかなんてところで悩んでいる人は、本作のハルオの悩みながらビビりながらも、自分のやりたいことに向かって行動していく姿を見てほしいなぁなんて思います。

 

まとめ

そんなわけで、今回は『トーキョー無職日記』という作品の感想を書いてみました。

 

実は本作には「トーキョー自立日記」という続編がありまして、無職から脱出したハルオの新たな展開を楽しむことができます。

 

無職日記を読んでから自立日記まで読むと、初期のハルオからの成長した姿も見れてより楽しめるかと思います♪興味がある方はぜひ二冊ともご覧になってみてください。おそらくそのうち、自立日記のほうの感想も書く予定なので、そちらもお楽しみに♪