ちょっと前に、テレビでディズニーの『ズートピア』という映画を放送してて、それを録画をしていたんですよね。それでこの記事を書く何日か前にやっと観れたんだけど、「やっぱディズニーってすげぇな!!」(最近こればっか)って思いました。
僕は別にディズニー信者でもなんでもないんだけど、素人目に見ても風景やキャラクターなどアニメーションのクオリティの高さはもちろんのこと、社会風刺も盛り込まれているし、アニメとしてきちんと子供たちを笑わせたり楽しませたりする要素も忘れずに取り入れられてるんですよね。
アニメって言うと僕のイメージでは、子ども向けのわかりやすい作品か、逆に大人向けのメッセージ性が強い感じになって、子どもがあんまり理解できないものになっちゃたりするわけですよ。ただ、このズートピアは子供も大人もどちらの立場でも楽しめるバランスのいい、それでもってクオリティの高い作品になっているんじゃないかなと思うわけですね。
というわけで、まぁここまでで何となく作品の魅力はざっくりお伝えしたわけですが、ここからはもうちょい細かい部分に触れながら、このズートピアの魅力や作品を観た感想について書いていこうかなと思います。
※ネタバレありなので未見の方はあらかじめご了承ください。
ズートピアのあらすじ、感想など
シンプルに子供に見せたいアニメ映画
大人も楽しめるし、何より気づきが多い作品!
僕は一応大人なので、どうしても大人目線で観てしまうわけですが、ズートピアは僕たちに大人にハッと気付きを与えてくれる作品だと思います。
それがどんな気付きかというと、僕たちは日常的に、様々な思い込みや偏見、差別などに囲まれているということです。それがさりげなく(といってもわかりやすい)作中に沢山ちりばめられているわけですね。
例を挙げましょう。先述したように物語の冒頭、少女だったジュディが警察官を目指したいという夢を語ったときに、両親は「うさぎはニンジンを作る方が幸せだよ」と彼女に告げます。
これって実は、親が勝手に子供の幸せを定義しちゃってるってことなんですよね。みんなとは言いませんが、親っていうのは、「子供の幸せのために」という言葉を使って、いつの間にか子供の人生を誘導しようとしてしまうことがあります。ただ、それは「親が思う幸せ」であって、必ずしも「子供にとっての幸せ」ではないんですよね。
僕は親になったことがないし、子供がいるわけでもないけど、親子でみたら多分親御さんはハッとするんじゃないかな?特に勝手に「子供にとっての幸せはこうである」と決めつけてしまっているかもしれない人にはぜひ見てほしい。
あともう一つ例を挙げます。
ジュディは警察官になったあと、紆余曲折あってキツネのニックとともに、街で起こっている肉食動物の行方不明事件を捜査することになります。
捜査が進むにつれて、肉食動物たちはとある建物に監禁されていることが判明。しかも、彼らは凶暴化した状態で発見されます。なぜ彼らは監禁されていたのでしょうか?それは市長であるライオンハートが、肉食動物ばかり凶暴化しているという事態を隠したかったからなんです。
なぜなら、肉食動物ばかりが凶暴化することは、草食動物と肉食動物が一緒に暮らしているズートピアの人たちに不安を与えてしまうからということと、ライオンハート自身も肉食動物のライオンであることから、市長としての信頼を保ちたかったからなんですね。
ただ、この目論見はジュディたちの活躍によって露見することになり、ライオンハートは市長をやめることになるわけです。お手柄のジュディは警察官として認められます。
しかし、ジュディはこの事件の顛末について記者会見で語る際に、とんでもない過ちを犯してしまいます。彼女は記者になぜ肉食動物が凶暴化するのか?と問われた際に、「生物学的な要素があるのでは」と実は肉食動物たちがなぜ暴れるのか、ちゃんとした原因も分かっていないのに、思い込みでしゃべってしまうんです。
当然のことながら、「肉食動物は危ないんだ」という認識が記者に伝わってしまいます。そして、彼女は図らずしも、相棒であったニック(キツネも肉食)を傷つけてしまうことに。さらにズートピアでは彼女の発言を機に「肉食動物を排斥せよ」という運動にまで広がってしまうわけです。
ジュディはこうなってしまったのは自分のせいだとショックを受けて、田舎に帰ってしまうのです。
では、なぜジュディは「肉食動物は生物学的に凶暴化する要素がある」という間違った発言をしてしまったのか?それは、警察官として正しくありたいと考えていた彼女の中にも、偏見や思い込みあるいは差別といったものがあったからでしょう。ジュディは草食動物ですから、表向きはそうじゃなくても、どこかに「肉食動物は怖いもの」という考えを持っていたわけですね。
また、ジュディは幼い頃に、同じ町に住んでいたギテオンという赤ギツネの少年にいじめられていた経験があります。顔に傷をつけられたこともあるので、ジュディにとってはつらい過去です。ジュディはおそらく大人になってからもその時のことを完全に忘れたわけではなく、頭のどこかで「肉食動物は乱暴である」と思い込んでいたんだと思います。そういった、普段は表面化していなかった、肉食動物に対するジュディの偏見や思い込みというのが、あの記者会見の場面で思わず出てきてしまったのではないでしょうか。
ただ、これって人ごとじゃなくて、僕たち人間の世界でも当たり前にあることなんですよね。
僕らも思い込みや不確かな情報をもとに偏見を持ったり、相手を傷つけてしまうことがあるわけです。僕だってこれを読んでいるあなただって、もしかしたら気づかないうちに勝手な思い込みや偏見で誰かを傷つけてしまっているかもしれません。
つまり、この作品は「思い込み、差別や偏見はいけないことですよ」というメッセージを送りつつ、同時に
「あなたも知らないうちに、誰かに対して偏見や持ったり差別をしているかもしれませんよ」
ということも教えてくれているわけです。なんかハッとしませんか?僕はこれ観ながら自分の言動とか色々考えてしまいました。もちろん、だからといって「何も言わないようにしよう」なんて思う必要はないです。でも、「もしかしたら自分も‥‥‥」というちょっとした想像というかな、相手に対しての思いやりが、僕たちの社会をちょっとずついいものにするんじゃないかなーと思うわけです。
間違ったら謝ることの大切さを教えてくれる
大人になるとどうしても自分の過ちを認めたがらない人っていますよね。「間違えたら謝る」という、当たり前に言われていることが結構できてなかったりするわけです。特にプライドの高い人とかだと謝るという行為に対してどうも抵抗感を持ってしまう人がいるようです。
ただ、『ズートピア』の動物たちは間違えたら謝ります。ジュディも自らの発言が間違っていたことをニックに謝るし、かつてジュディをいじめたギテオンも、自分の過ちを認めジュディに謝罪するんですね。そして関係を修復していく。
当然のことながら、僕らも間違えます。っていうか人間社会なんて間違いだらけで、まったく完璧じゃないわけですよね。じゃあ、実際に間違えてしまった、相手を傷つけてしまった時にどうするか?それは、素直に謝って自分の間違いを認めることなんじゃないかな?
当たり前なんだけど、すごく大切な謝るという行為。そんなことをズートピアという作品から改めて学びました。僕もわりとちゃんと謝るタイプだとは思うけど、悪いと思ったこと、間違ったと思ったことは素直に謝るっていうことをやっていきたいなぁと思いました。
まとめ
そんなわけで、今回はディズニーの『ズートピア』という映画を紹介してみました。
今回僕が紹介した内容は作品の一部にすぎません。ほんとはまだまだ色々なことに気づかせてくれる作品なので、まだ作品を観た事がない方はぜひ観てほしいです。
子供が見ても楽しい、大人が見ても楽しい、子供と大人が一緒に観ても楽しいし学べることが沢山あるという、とても優れた作品だと思うので、興味がある方はぜひご覧になってみてください!!
それでは今回はこの辺で。