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『フランケン・ウィニー』ティム・バートンのストップモーションアニメはやっぱり面白い!!

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ティム・バートン監督と言えば僕の中では『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』。ちょっと気持ち悪いんだけどなんだか可愛らしいキャラの造形やストップモーションアニメ独特の動き、そしてなんといってもあのちょっと幻想的なんだけど不気味な世界観が僕好みの作品なんです。

 

さて今回はそのティム・バートン監督の作品でアメリカでは2012年10月、日本では2012年の12月に公開された『フランケン・ウィニー』という作品を紹介します。

 

監督はティム・バートン。脚本はジョン・オーガスト。この人はティム・バートンの作品を担当することが多いですね。『チャーリーとチョコレート工場』とか『ティム・バートンのコープスブライド 』など。本作は1984年にティム自身が作った作品のリメイクです。白黒のストップモーション・アニメが特徴の作品となっています。

 

あらすじ、概要

舞台はニューオランダという町。映画作りが好きな少年ヴィクターは友人も少なく学校以外では家に閉じこもりがちの生活を送っていた。そんなヴィクターだったが愛犬スパーキーとともに平和な日常を送っていた。

 

だが、そんなある日のこと。たまたま参加した野球の試合でヴィクターはヒットを放つ。球場の外に飛び出したボールを追いかけたスパーキーは道路に飛び出し車に引かれて死んでしまう。悲しむヴィクターだったが、学校の科学の授業から着想を得てスパーキーを蘇らすことを考え見事に成功。しかし、そのことでやがて街中を巻き込む騒動が起こってしまうのだった。

 

※ここからはネタバレありなのでよろしくお願いします。

 

感想 

ティム・バートンらしさ満載の作品! 

いやぁ、今回の『フランケン・ウィニー』はまさにティム・バートンらしい作品だなと。まず、作品の世界観ですよね。白黒の映像に描かれたどこか薄暗くて全体に漂う不気味さ。ホラー好きな人間にはたまりません。彼の作品観てるとわかりますもん。「あっ、この人基本的に暗い感じの人だろうな」って。その暗さだったり、どこか社会になじめない感じっていうのがもう作品からにじみ出ちゃってるんですよ。これは、根っから明るい人には出せない世界観なんですよね。僕はそこが好きなんです。

 

だけど単に暗いっていうだけじゃなくて、ちゃんとユーモアもあるというかな。クスッと笑ってしまうところもある。ネタバレになるけど今回の映画で言えば、死者を蘇らせて大騒動になるところとかね。主人公のヴィクターのクラスメイトは彼が愛犬スパーキーを蘇らせたことを知って、そのやり方をパクるんですよ。だけど、それが不完全でとんでもない化け物たちを生み出しちゃう。しかも、そのうちの一匹は日本の怪獣映画に出てくるあのキャラを明らかに意識したやつだったりして。その辺のいい意味で映画大好きティム・バートンがはしゃいでいる感じっていうのも作品に垣間見えたりするのが楽しいわけです。

 

あとは、ティム・バートンアニメの世界観を作り上げているのはなんといっても個性的なキャラクターの造形ですよね。主人公のヴィクターはギョロっとした目のどこか病的な顔つきをしてて、細すぎ手足長すぎの明らかにアンバランスな体型だったりする。ナイトメアの主人公ジャックなんかはまさにこれ。

 

 

あと、今作『フランケン・ウィニー』で言えば、学校の科学の先生のアンバランスさっていったらないからね。僕始めてみた時、普通に笑っちゃいましたもん。「いやっ、顔長すぎだろ!!」って。これほんと見てください。絶対に突っ込みたくなるから。でも、すげぇいいキャラしてます。一度見たら忘れない顔です。

 

あと、ヴィクターの愛犬スパーキーは動きがめちゃかわいいですね。ボールが転がってきてしっぽ振りながらピョンピョン跳ねるところとかヴィクターが帰ってきてはしゃぐところとか普通に犬飼いたくなっちゃいました(笑)あとストップ・モーションアニメなのにすごくなめらかで犬っぽい動きを再現できているところが素晴らしいなと。他のキャラクターたちもフォルムから表情も含めて個性的なので、その辺りは本作を実際に見て楽しんでもらえたらなと思います。

 

ヴィクターはティム・バートン自身?

本作の主人公ヴィクターは映画を撮るのが好きで、家にこもりがちの少年です。親には将来を心配され、外で遊んだりすることも求められる。象徴的なのはヴィクターが科学展に出たいと父親に相談したところ、「父さんはお前に野球もやってほしい。でも、お前は科学展に出たい。なら迷うことはない。両方出れば二人とも満足だろ?」みたいなことを言うんですよ。その提案に対してヴィクターは明らかに不満顔なんです。野球とかスポーツみたいなことには興味ないわけですよね。でも、父親からはバランスをとることを求められる。

 

きっとティム・バートン自身も子供の頃にこんな経験があったんじゃないかなと。ほら、偏見かも知れないけど彼は絶対にスポーツとかしなさそうじゃないですか。だけど、子どもがやっているような外で遊ぶとかみんなで仲良くするみたいなことを求められてきて、窮屈な思いをしてきた。その時の経験がこのヴィクターというキャラにも投影されているんじゃないかなと。

 

ちなみに『フランケン・ウィニー』のウィニーってオタクって意味があるらしいんですよ。この辺は完全に僕の想像なんですけど、きっとバートン自身には「オタクでいいじゃねぇか!好きなもの突き詰めて何が悪い」って想いがあるんじゃないかなと。いやっ、これは本と勝手な想像なのでお許しください(笑)

 

おわりに

他にも本作では「科学は使うもの次第で社会によい影響も悪い影響も与える」といった普遍的なことや、生き物を蘇らせるという、生命倫理の問題など子供にとって教訓となることや親子で考えさせられるような内容も盛り込まれています。

 

ただ、個人的にはちょいとラストのシーンは納得できなかったかなと。ここをさすがに言っちゃうと作品を見たくなくなってしまうので言いませんが、「ん?それはちょっと予定調和というか都合よすぎね?」と思ってしまいました。

 

まぁ、でもそんな部分も含めてやっぱりティム・バートン独特の世界観というのは個人的にとてもよかったのです。ちょっとダークで怪しげな世界観と、独特のフォルムをした個性的なキャラたちが織りなす物語に興味がある方は是非ご覧になって観てください。