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市川崑監督に興味を持ったら読みたい本を2冊選んでみた!

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映画を定期的に観るようになったのが30代になってからと遅くて、ようやく最近、市川崑監督の「金田一耕輔シリーズ」を観たんですよね。おどろおどろしい世界観ながらもスタイリッシュな映像と言いますか、「何か画がカッコいいなぁ」なんて思いながら見てたんですね。で、そこから市川監督の作品をチョイチョイ観るようになったのですが、まぁ、そのジャンルの多彩なこと。

 

金田一シリーズのようなミステリーからドキュメンタリー、戦争もの、コメディ、文芸作品を取り扱ったものまで、ジャンルの垣根を飛び越えて色々な作品を撮ってる。で、段々と「市川監督ってどんなキャリアを歩んできたんだろうか?」なんてことが気になり出したので、いろいろ調べてみることにしました。今回は、その時に読んだ資料の中から、「とりあえずこれ読んでおけば市川崑監督のことがざっくりわかる」という本を2冊紹介してみようと思います。

 

色々な作品の背景や市川監督のキャリアなんかに興味がある人は、ぜひ参考にしてみてください。

①市川崑と『犬神家の一族』 

 

 

まず紹介するのはこちらの一冊。時代劇や映画史の研究をされている春日太一さんが書かれたものです。

 

市川監督について書かれた豊富な資料を参考に、監督のキャリアから演出など映像テクニックまで幅広く網羅しています。200ページ程度とそんなに分厚い本ではないですが、それでも読み応えは十分。堅苦しい表現も少ないので読みやすくぶっちゃけ、市川崑監督について超ざっくり知りたいというのであれば、これ一冊で十分かなと。

 

本書の見所はタイトルにもあるように市川崑監督の金田一耕助シリーズ第1作『犬神家の一族』にフォーカスし、作品がなぜ面白いのかを深掘りしているところです。退屈になりがちなミステリーのジャンルでありながら、なぜ本作は観客を飽きさせないのか?そこに市川監督がどんなテクニックを駆使しているのかが具体的に解説されていて、読んだ後でより作品が楽しめますし、「映画ってこういう風にみるんだな」と映画の見方も学べます。

 

何よりこの本読むと、もう一回金田一耕助シリーズを観たくなるんですよね。その辺りに春日さんのすごさを感じます。

 

また、金田一シリーズで主演の金田一耕助を演じた石坂浩二さんへの二万五千字にも及ぶインタビューも読み応え十分!!市川崑作品に多数出演された石坂さんならではの視点や、市川監督の演出のやり方などもわかります。

 

市川崑監督の超入門書として一冊手元に置いておくといいのではないでしょうか。

 

②市川崑大全

 

 

2冊目は映画秘宝編集部から出されている『市川崑大全』です。大全というだけあって、市川監督の初期の作品から晩年の作品まで幅広く取り上げています。

 

本書は映画ライターや評論家などが、近代1シリーズをはじめとする各作品や幾つかの作品を横断的に取り上げ解説しているので、市川作品に対する幅広い知識を得られます。写真も豊富に使われているので、視覚的にも楽しめます。まぁ、さすがに全作品を1から解説というわけにはいかず、あくまで市川監督の代表作が中心となるのでそこは悪しからず。

 

こちら関係者へのインタビューも豊富です。石坂浩二さんをはじめ、市川作品に出演した中村敦夫さん、市川作品に多大な影響を受けた岩井俊二監督、その他、プロデューサーや編集など制作に携わった方々など様々な立場から市川監督の魅力や仕事ぶりが語られています。

 

春日さんの本を超入門編とするなら、こちらは初級~中級者向けになるかもしれません。

 

だいぶ市川監督にハマってきたらオススメしたい『市川崑の映画たち』

 

興味を持ったら読みたい本は、先述した2冊。ここからは番外編で市川崑監督の作品にだいぶハマった人向けの本を一冊紹介しておこうと思います。本書は市川監督へのインタビュー集で、映画研究などをされている森遊机さんのインタビューに市川監督が答える形式になっています。

 

この本が550ページ以上とまぁ分厚い。それもそのはずで、市川監督の1948年のデビュー作『花ひらく』から東京オリンピックを映像に収めた『東京オリンピック』、金田一耕助の活躍を描いた『犬神家の一族』など、ほとんどの作品について市川監督自身が受け答えしているからなんですよね。

 

僕は実際に読んでみたのですが、それこそ自分が生まれる随分前の作品がけっこうあったりするので、インタビューで取り扱われている作品について、あまりピンとこなかったりするわけです。だから、この本はざっくり市川監督とその作品について知りたい人ととか、僕のようにまだ全然監督の作品に触れてない人というよりは、監督とその作品にどっぷりハマって作品数もそれなりに消化している人じゃないと楽しめないだろうなと。

 

逆にいうと、市川監督の作品をかなり観ている人からすると楽しいと思うんですよね。多少作品ごとにページ数に差はあるけど、監督が各作品でのキャスティングや製作秘話とか苦労話なんかを語っているので、「あの作品撮ってる時にこんなことあったのか」とマニア心をくすぐられるんじゃないかな。僕も金田一シリーズの部分とかはすごく楽しく読めました。

 

だから紹介しておいてなんだけど市川監督に興味を持った程度の人にはあまりおすすめはしません(笑)ただ、興味を持った人の中からごく少数「もっとこの監督と作品のことを知りたい!」って深掘りしたくなる人がいると思うので、そういう人にとって監督が生の声でほとんどの作品を語る本書は貴重な資料となるはずです。

 

まとめ 

そんなわけで今回は市川崑監督に興味を持ったら読みたい本2冊+おまけの1冊を紹介してみました。

 

ぜひ、市川監督に興味を持った人はここで紹介した本を読んでみてください。きっと、さらに市川監督作品をさらに楽しめるようになるはずです。