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水木しげるのビビビの貧乏時代。貧乏だけど笑えちゃう、これぞ水木ワールド!!

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僕は「ゲゲゲの鬼太郎」や「悪魔くん」といった水木しげる先生の作品が好きなのですが、先生の作品以上に興味深いなと思うのが水木先生の人生そのものです。

 

このブログで何度も書いてきましたが、水木先生は幼いころから寝坊ばかりしていて遅刻の常習犯、学校卒業後は色々な職を転々とするもどれもクビになる、もしくは続かないという不遇の時代を過ごし、そのまま戦争へと駆り出されます。

 

戦争時には左手を失うも、命からがらなんとか地獄と言ってもいい戦地から帰還し、戦後の復興期の日本で悪戦苦闘しながら、中年になったころにようやく漫画家として成功を収めたという得意な経歴をお持ちの方です。

 

参考記事:水木しげるを知りたければ『昭和史』は必ず読むべし!! - マンガなしでは生きてけない!!

 

僕が今回読んだ『水木しげるのビビビの貧乏時代』という作品はそんな水木先生の貧乏時代のエピソードから怪奇話、ちょっとエッチな話まで盛りだくさんの一冊となっています。

 

 

貧乏だけどどこか笑えるエピソード集

同じ日本と言えど水木先生が生まれたのは大正時代。漫画家として成功してからはだいぶ裕福にはなったようですが、そこに至るまでの貧乏時代というのは現代の僕らの貧乏とはレベルが違います。

 

今はモノ余りの時代と言われていますが、水木先生が過ごした時代の半分はもの自体がなく貧乏と隣り合わせの人が多くを占めていました。

 

水木先生もそんな時代を過ごし、漫画家という道で成功するまで長く時間がかかったため、中年になるまでは貧乏、貧乏、また貧乏の日々。

 

そんな数ある貧乏話の中でも特に印象深いのが戦後の混乱期の話です。

 

ご存知の方も多いでしょうが、戦後の日本というのはそもそも仕事がなく住む家すらない人が溢れかえっていた時代でした。水木先生も当然仕事はなくメチャメチャ貧乏なんですよね。安定した生活なんて程遠く「どうにか生きていかなければならない。」という感じで、日々メシにありつくのがやっと。明日はどうなるかわからないといったまさに「その日暮らし」の生活を送っていたわけです。

 

この戦後の時代というのがもうメチャメチャなんですよね。水木先生は自称芸術家のよく分からない人たちとともに「芸術家のための家を」ということで、ビルを占拠しようとしたり、食っていけないからということで芸術家たちで魚屋をやろうとして、おしつけられたりとかね。

 

しかも水木先生片腕ですからね!!「いくらなんでも無茶だろ!!」と思うんだけど、当時は混乱期だったからまさに何でもありの時代。たぶん、その真っただ中にいた水木先生ははたから見たら相当大変なように見えたんだけど、先生の描き方がどこか人ごとのようなフワーッとした感じでどこか笑えてしまいます。

 

きっと水木先生自身は当時はそこまで深刻にはとらえてなくて「どうにかなるかなー」ぐらいに思っていたのかもしれません。まぁ、地獄の戦争を乗り越えた水木先生ですからね。どこか達観した、そんな精神状態だったのかな?なんて想像をしております。

 

池上遼一先生のアシスタント時代

水木先生が漫画家として活躍し始めたころ、先生の元には何人かアシスタントがいたのですが、その中には後にマンガ家として成功を収める池上遼一先生がいました。

 

池上先生と言えば『HEAT』など数多くの作品を残している漫画家さんです。

 

本作ではそんな池上先生のアシスタント時代の話も読むことができます。ただ面白いのは池上先生に一応スポットは当てつつも、水木先生の周りにいる人たちが変わり者すぎて、池上先生があんまり印象に残らないっていうね(笑)

 

だって、池上先生がアシスタントに来た初日から、なぜかアシスタントたちのいる部屋で牛乳配達をしてる人が寝てるんですよ?どーいう状況だよって感じじゃないですか?しかも、許可をもらうわけでもなく勝手に入り込んできてるというもう理解不能だよね。

 

その後もカオスの様な水木プロで紆余曲折ありつつも池上さんはついに連載を勝ち取ります。30ページほどの話ですが、池上さんと変な人だらけの水木プロの人たちの話はどこかほほえましく、力を抜いて読めるエピソードです。

 

水木作品を好きな人にはやや、知ってるエピソードも多い

僕のように水木先生の作品をそれなりに読んだ人間からすると「読んだことがある」という話もちょこちょこ入ってきます。

 

特に昭和史を読んだことがある人だと、結構かぶっている話もあるのでやや消化不良というかもうちょい別の話が読みたいかもと思うかもしれません。

 

個人的には歴史と水木先生のエピソードが同時に読める昭和史を読みつつ、今回紹介した池上先生のお話などいくつかのエピソードも楽しみたいという方には『ビビビの貧乏時代』を読むといいのではないかなーと思っています♪

 

まとめ

そんなわけで今回は水木しげる先生の『水木しげるのビビビの貧乏時代』を紹介してみました(^^)

 

貧乏エピソードを中心に実に不思議で、でもどこか笑える水木ワールドが詰まった作品です。興味のある方はぜひご覧になってみてくださいね♪

 

それでは今回はこの辺で失礼します!!