アスリート、俳優、歌手、クリエイター、ビジネスマンなど何かに情熱を傾けている人の言動や姿というのは人の心を動かすものですよね。
ただ、時に異常なまでの情熱は周りの人間を困惑させたりもするもの。そんなことを今回紹介する漫画を読みながらしみじみと思いました。その漫画がこちら。
『情熱大陸への執拗な情熱!!』
本作は、漫画家の宮川サトシさんがあまりにも情熱大陸に出たいという情熱が強すぎるがために、本人や周りの人たちがその情熱に振り回される日常を描いた作品です。
ちなみに、情熱大陸について知らない人のためにちょっと説明。情熱大陸っていうのはMBSで放送されている番組です。アスリートや俳優、クリエイターなど各業界でトップを走る人や注目の人たちに密着するドキュメンタリーですね。
あまりの情熱大陸への情熱っぷりに思わず笑ってしまう作品!!
いやぁ、想像以上でした。何がって
宮川さんの情熱大陸に対する執拗な情熱っぷりが(笑)
まずテレビの予約は情熱大陸でびっしり。そこまではわかります。情熱大陸は面白い番組ですからね。
ただ、こっからがちょいとばかしおかしい。彼は情熱大陸に出ることが決まってるわけでも、そこにカメラが回っているわけでもないのに情熱大陸をイメージしてなぜか急に毎朝ジョギングをし始めるんですよね。んでその理由はというと
健康づくりでもなんでもなくー
情熱大陸っぽいと思ったからだ
引用元:『情熱大陸への執拗な情熱』p6 宮川サトシ 幻冬舎
どんだけ情熱大陸に生活支配されてるんだよ(笑)
さらに情熱大陸への偏愛エピソードは続きます。例えば洗濯物をたたむとき。普通はまぁ洗濯物をたたむだけですよね?でも彼の場合はただ畳むだけじゃないんです。
「この男の朝は洗濯物をたたむことで始まる‥‥‥」
「意外と庶民的な朝である」
ーなどと自ら窪田等さんのナレーションをあてている
情熱大陸を観た事がある人ならイメージしやすいと思うんだけど、もう情熱大陸に生活を支配されすぎでしょ!はっきり言ってちょっと怖いわ!!って突っ込みたくなってしまうぐらいです。宮川さんの生活はもう情熱大陸に染まりきっちゃってるんですね(笑)
これがもう本作の序盤からずーっとなわけですよ。宮川さんは何をしてもそれを情熱大陸に結びつけちゃう。下手したら情熱大陸作ってる人より、情熱大陸に情熱注いでるんじゃないかって思ってしまうレベルでした。他者を凌駕する圧倒的な情熱大陸への熱の入れ方。周りの人はけっこう困惑しただろうなぁ。一緒にいる奥さんが若干戸惑ってる姿とか見て「やっぱり」って納得しましたね。ありゃ、誰でもそうなるわ。
それにしても笑わせてもらいました。漫画を読みながら「アハハハハッ!」って声を出したの久々な気がしますね。個人的にはかなりツボに入った作品だと思います♪
情熱大陸への執拗な情熱を客観的に捉えてるのがまた面白い!!
そんなわけで、宮川さんの情熱大陸への情熱は言ってしまえば異常なわけですが、僕が面白いなと思ったのは、宮川さんがそんな情熱大陸に入れ込んでいるご自身の姿を客観的に捉えてるってことなんですよね。
ほらっ、何かに入れ込んでる人とか熱をあげる人って、自分の姿を冷静にみることができないことって多いじゃないですか?アイドルに熱狂的なファンとか、○○マニアみたいな人が、それについてメチャメチャあつーく語ってたりするんだけど、周囲との温度差に気づけないみたいな。
ただ、宮川さんはさすが漫画家ともいうべきか、情熱大陸に入れ込んでるご自身の姿をとても客観的に冷製に捉えてるんですよね。自分自身がいかに情熱大陸にぞっこんか、そしてそんな自分の熱の入れっぷりがいかにおかしいか、自分の言動が周囲にどんな影響を与えているかっていうのを、自分自身できちんと漫画として描いてるわけです。
「宮川さんは情熱大陸に入れ込んでる自分のことをどんなふうに思ってるんだろうか?」
自分のことを馬鹿だなぁと思いながら描いてるのか、それとも描きながら情熱大陸への思いをさらに膨らませながら描いているのか?そんなことを想像すると何かクスクスと笑えてしまうんですよね。
宮川さんははたして情熱大陸に出ることができたのか?
そんで気になるのは、宮川さんははたして情熱大陸に出ることができたのかっていうこと?自分で漫画にしちゃうぐらい情熱大陸への情熱は誰にも負けない宮川さんですから、当然出て‥‥‥。
おっと、ネタバレになるのでここまでにしておきましょう。ただ、ラストに向けてまさかの展開が訪れるってことだけはお伝えしておきます♪
宮川さんの情熱大陸への情熱ははたして届くのか?宮川さんの情熱はどこへ向かうのか?興味がある方はぜひ本作をご覧になってみてください♪
その執拗なまでの情熱に思わず笑ってしまうはずです。
それでは今回はこの辺で。
ちなみに↓は、宮川さんがお母さんを亡くされた時のことを描いた漫画について紹介した記事です。こちらは今回の作品とは一転して、泣ける作品となっているので興味がある方はこちらもどうぞ。
関連記事:思わず泣いてしまう『母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。』という漫画を読んだ - エンタメなしでは生きてけない!!