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『アイアムアヒーロー』ゾンビ好きも十分楽しめる和製ゾンビ映画!

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つい先日ネットフリックスで2016年公開の邦画『アイアムアヒーロー』を観ました。

 

 

監督は佐藤信介。主役の鈴木英雄を大泉洋。英雄とともに行動する女子高生の早狩比呂美を有村架純。英雄たちがたどり着いたアウトレットモールで出会う元看護師の小田つぐみを長澤まさみが演じています。

 

元々この作品は漫画が原作で全22巻まで出てる人気作。漫画の方は一応すべて読んでいたのですが、実写版にはなかなか手が出せなかったんですよね。なんというか、漫画とかの実写版に対するイメージがどうもよくなくてね。世界観がぶっ壊れてたり、上映時間の中に無理やり作品を収めようとして、「あれ?ここの設定はどうなっちゃったの?」みたいな違和感を持ってしまうことが多かったりしちゃって。

 

ただ、僕がゾンビものが好きということもあって、本作はいつか観たいなぁという思いもあったんです。やっぱりね、僕にはゾンビを裏切っちゃダメだという謎の使命感がありますからね。ゾンビ最高!

 

そんな思いのおかげもあって?か、つい先日実写版の『アイアムアヒーロー』を観たので、そのあらすじや感想なんかを書いていきたいと思います。

 

※ネタバレありだからよろしくおねがいします

あらすじ 

まずは簡単なあらすじから。主人公は35歳で漫画家のアシスタントをやっている鈴木英雄。若いころにデビューをしたが、すぐに連載はなくなり今はアシスタントをしながら雑誌に掲載されることを目指しています。そんな英雄は恋人の黒川徹子からも、愛想をつかされる始末。

 

そんな中、全国で人が噛みつくという奇妙な事件が発生します。噛みつく人たちは『ZQN』と呼ばれるゾンビのような感染者たち。その数はどんどん増えていきやがて英雄の周りにもその被害が及ぶように。恋人の徹子やアシスタントを務める漫画家や同僚たちも次々とZQNになり、英雄は街から逃げ出すことを決意。途中で会った女子高生の比呂美とともに安全と言われている富士山を目指すのでした。

 

感想

変わりたかったらまずは自分で動けというメッセージ

多分、多くの人が映画を観る時に「この映画って何を伝えたいのかな?」ってことを考えると思うのですが、本作に関してはそのメッセージが割と明確だし自分に刺さるものでした。そのメッセージとは「変わりたかったらまずは自分で動け」というものです。

 

英雄や35歳で漫画家のアシスタントをしていて、「自分は脇役でしかない」という思いを抱えて生きています。その思いは彼の作品にも表れていて、編集者に自分の作品をみせに行った時には「主人公が普通なんですよね(笑)」と言われてしまう始末。

 

ちなみに英雄は趣味でクレー射撃用の散弾銃を持っています。これは想像でしかありませんが、おそらくこれも「銃を持つことで強くなりたい」という彼の願望の表れではないでしょうか?銃って強さの象徴であり、フィクションの主人公はよく使ってますよね。悪役を銃でぶっ飛ばすと言えば物語のヒーローだし、そういう人へのあこがれがあると。

 

その辺りは、彼が自分の妄想の中で人に対してガンガン意見を言ったり、称賛を得ていたりするところからもなんとなく想像できるところです。映画の主役のようなヒーローへの憧れやヒーローになりたいという願望ですね。

 

そんな自分へのコンプレックスを抱える英雄の人生に転機が訪れるわけです。ZQNが増殖し社会の秩序が破壊されていっちゃうんです。これは人によるのかもですが、自分がうまくいかなかったり、コンプレックスを抱えてたりすると「社会ぶっ壊れねぇかなぁ」って思うことってあると思うんですよ。なぜかというと今の社会がぶっ壊れたら、階層とか社会的な地位が一回チャラになってもう一回初めからやり直せると思っちゃうから。いわゆるガラガラポンみたいなことですよね。例えば戦争を願ったりとか大震災が起きることを願ったりとかね。

 

で、実際社会がぶっ壊れちゃうような出来事が起こりました。その時英雄はどうなったのか?というと大して変わっちゃいないんですね。社会がぶっ壊れようが英雄は英雄のままです。これまで妄想に浸ってきた人間がそう簡単に変われるかというとそんなことはない。それが現実です。

 

ただ、本作ではそこから成長する英雄の姿を描いています。それは、途中で出会った比呂美やつぐみを助けるため。それまでの英雄であれば、彼女たちを助けることはできなかったかもしれない。妄想上ではカッコよく助けたかもしれないけど、現実には他の人に任せていたでしょう。でも、助けられるのは自分しかいない。その時、はじめて英雄はヒーローになるんですね。脇役から主役へ。そして、散弾銃を手に取って大量のZQNたちに立ち向かうんです。

 

「変わりたかったらまず自分が動こう。」

 

こういう明確なメッセージはシンプルだけど心を打ちます。パッと見強者の理論に見えなくもないけど、そうじゃない。どちらかというと英雄のようにコンプレックスを抱えていたり、うまくいかねぇなぁと思っている人の後押しをしてくれるメッセージなんじゃないかなと思います。

 

ZQN(ゾンビ)の気持ち悪さもよかった

あと、この映画は「ゾンビの気持ち悪さ」も個人的に好きでした。正確にはZQNですが、噛まれて感染して人間からZQNに変化していくときの、血管がバッキバキに浮き出て、意識混濁してわけわからんことを言ってるところとか、人間が得体のしれないバケモノに変わっていく感じとかすげぇ不気味なんですよね。

 

ゾンビものっていつの間にかゾンビになってたり、噛まれた人が意識失って次に目覚めたらゾンビになってたり、わりと人間からゾンビにパッと変わっちゃったりすることが多いんだけど、こういう人からゾンビに変わっていく過程の「まだちょっと人間残ってる感」がよかったです。初代バイオハザードの「かゆ、うま」をほうふつとさせてくれました。

 

そんで、そういうZQNを散弾銃でぶっ飛ばす。体が破壊されて血がドバーッと噴き出す。まぁ、苦手な人は苦手なんだろうけどゾンビもの好きとしてはその辺も満足できる作品でした。

 

まとめ

今回は『アイアムアヒーロー』の感想を書いてみました。邦画のゾンビものってあんまり観たことがなかったのですが、本作は結構楽しめると思うので、ゾンビ好きとかちょいと気持ち悪いものが好きな人はおススメ。あとは、主人公の成長みたいなものもきちんと描かれているので、そっちにも注目してみると楽しめるのではないかと思います。興味がある方はぜひご覧になってみてください。