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『ファルコン』観ている者に勇気を与える。マフィアに立ち向かい社会を変えた男の物語

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イタリアにおいてマフィアが大きな力を持っていたことは、ご存知の方も多いでしょう。今回はそんなマフィアの恐ろしさと、勇敢にもマフィアに立ち向かった男の実話をもとに作られた映画を紹介します。イタリアとアメリカの合作で、1999年にテレビ映画として放送された『ファルコン』という作品です。

 

 

監督はリッキー・トニャッツィ。実際にマフィアと戦った判事、ジョヴァンニ・ファルコーネ役をチャズ・パルミンテリ。ファルコーネの妻フランチェスカをアンナ・ガリエナ。ファルコーネとともにマフィアと戦うパオロ・ボルセリーノをアンディ・ルオットーが演じます。

 

あらすじ

ジョヴァンニ・ファルコーネはシチリア島のパレルモ司法局で判事として働き始めました。担当するのはマフィアが関わった事件。しかし、マフィアの力は圧倒的で、政治家をはじめあらゆるところに及んでいて、ファルコーネやマフィアの事件を担当する検事たちに圧力をかけてきます。マフィアは邪魔と見なすや警察官や検事なども容赦なく殺害。いつ命が狙われるかわからない状況で、ファルコーネはマフィアたちを検挙するため奮闘するのでした。

 

※ここからはネタバレありです。

 

感想

誰かの信念が人々を動かすかもしれない

フィクションであれば、こういうマフィアとの対決で正義が勝ってメデタシメデタシってなるじゃないですか。ところが、本作ではハッピーエンドにはならないんですね。なぜなら、現実でファルコーネもボルセリーノもマフィアに暗殺されてしまっているからです。彼らはマフィアとの闘いのさなかで命を落としてしまいました。

 

じゃあ、希望はないのかというとそうではありません。本作を通じて学べるのは「人の信念は社会を変える可能性がある」ということです。

 

ファルコーネやボルセリーノの死後、イタリアではマフィアの横暴を野放しにしている政府に対して人々の怒りが爆発しました。これまでマフィアが牛耳る社会は変わらないとある意味諦めていたような状況が、ファルコーネやボルセリーノ、あるいはそれ以前に犠牲になった多くの人たちの活動によって変わり始めたのです。

 

これによって、大規模なマフィアの摘発に発展。力のあったマフィアの逮捕に繋がり、関係のあった国会議員の3分の1が捜査の対象になったとのことです。

 

国会議員の3分の1が捜査対象になる社会ですよ。もちろん、みんなが逮捕されたわけじゃないけど、それだけマフィアは権力と癒着している社会というわけです。そんな状況下で戦い続けたファルコーネやボルセリーノたちの信念や行動とその死は、人々の心に大きな影響を与え、それが政府やマフィアに対して声をあげるきっかけになったのだと思います。

 

無力感を感じている時に観てほしい映画

とはいえ、誰もがファルコーネやボルセリーノのような信念を貫くのは難しいとも思います。政治家をはじめ有力者たちとつながりのあるマフィアの力は絶大です。そして、彼らは人の命を奪うことを躊躇しません。敵対する者はもちろんのこと、その家族というだけで命を奪うことすらあります。

 

自分だけではなくて、自分の近しい人たちの命すら危ないとなったとき果たして人は信念を貫けるのか?この映画を観ていて僕は考え込んでしまいました。何度も言うけど、マフィアの力は絶大です。歯向かえば命の危険が及ぶことは馬鹿でもわかるぐらいに当たり前なんです。そんな状況下で命をかけて戦いを挑んだファルコーネやボルセリーノたちは特別と言わざるを得ないでしょう。

 

それでもこの映画や、彼らの行動が僕に勇気を与えてくれたことは間違いありません。

 

僕らの社会にも矛盾や明らかにおかしい政策などはたくさんあります。そういうものに対して「おかしい」と声をあげていく。それは、もしかしたらちょっとだけでも社会やそこに暮らす人たちの状況をいい方向に変えていけるかもしれない。そんなことをこの映画から改めて学びました。

 

自分の行動では何も変わらないのではないか。自分の行動は無意味なのではないか。そんなことを思っている人にはぜひこの映画を観てほしい。ファルコーネやボルセリーノが行ったことの100分の1でも1000分の1でもいい。その小さな行動が誰かの心に灯をともし連鎖していくことで、社会や誰かの人生を変えるきっかけになるのかもしれません。

 

まとめ

今回は『ファルコン』という映画を紹介してみました。

 

実話をベースにしているので、地味だし激しい銃撃戦のようなアクションがあるわけでもありません。でも、人の心に何かを残す作品だと思います。興味がある方はぜひご覧になってみてください。