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『ザ・リング/リバース』日本版リングに近いと言えば近いが・・・

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最近ホラー映画を中心にいろいろ作品を見ていて、ネットフリックスで何かないかなーと思って探していたら、『ザ・リング/リバース』というタイトルが見えましてね、「おっ、これ見た事ないやつじゃん!」ということで早速見てみました。

 

本作はハリウッドでリメイクされたリングシリーズの第3作目です。2017年にアメリカで公開、日本では2018年に公開されています。監督はF・ハビエル・グティエレス。脚本はデヴィッド・ルーカ、ジェイコブ・アーロン・エステス、
アキヴァ・ゴールズマン。呪いのビデオの謎を解くために奮闘するジュリアをマティルダ・ラッツ。ジュリアの彼氏で男子大学生ホルトをアレックス・ローが演じています。

 

あらすじ、概要

「見たら7日後に死んでしまう」と言われる呪いのビデオ。ビデオの呪いを解く方法は「ダビングして誰かに見せること」だ。ジュリアは自分の恋人であるホルトが呪いのビデオを見たことを知り、彼の身代わりになるためビデオを見てしまう。ジュリアとホルトはビデオに映る映像を手掛かりに呪いを解くために動き始めるのだった。

 

※ここからはネタバレありなのでよろしくお願いします。

 

感想

原点回帰ではあるが・・・。

本作の公式サイトを観たところ、『リング』の原作者である鈴木光司さんが本作を褒めたたえているコメントを載せていたんですよね。

 

これぞ原点回帰。

ハリウッドでつくられたリングシリーズ史上、

もっとも原作に忠実で、もっとも怖い。

驚いた。

引用元:http://thering-movie.jp/introduction.php

 

『リング』の原作者である鈴木さんがこんなに褒めてる。これは期待できるぞと。そう思いながら本作を鑑賞したわけです。で、これはもう僕の率直な感想なんですけど、「えっ?そんなに怖かったかな?」という感じ。

 

確かにこの『ザ・リング/リバース』という作品は日本版の『リング』に構成は似ています。呪いを解くためにビデオに映る断片的な映像をヒントにパートナー(日本版では元パートナー)と一緒に協力しながら謎解きをしていくところなんかはそのまんまですよね。

 

だけど怖くない、怖くないんだ!!

 

『リング』っていうのはやっぱり怖くないとだめだと思うんですよね。じゃあ、なんで怖いのかというと「見ると7日後に死ぬ」という呪いのビデオと、その呪いを生み出した山村貞子という正体不明で得体のしれない存在の薄気味悪さが前提としてあると。で、僕らは貞子の姿を物語のラストまで知ることができないわけです。これによって、想像させられるわけですよ。「貞子とはいったいどんな奴なんだろう?」と。その想像が恐怖心を掻き立てるわけじゃないですか。人はわからないものや見えないものに対して想像を膨らませて恐怖を感じてしまうものなのでね。

 

ところが本作では物語の冒頭、飛行機の中で呪いのビデオを見たであろう人間が、まさにその時にビデオを見てからちょうど7日目を迎える場面が出てくるんですね。ここで、何が起こったのかというと、機内の座席やコクピットにあるモニターが呪いのビデオの映像に切り替わって、そこからサマラ(ハリウッド版の貞子)が出てくるわけです。つまりここで呪いをかけている本人の正体が明らかになってしまうんですよ。

 

いやっ、明らかにしちゃったら怖くないじゃんと。まぁ、リングシリーズを観たことがある人にとっては、もはや長髪黒髪の気味が悪い女っていうのはわかりきってるわけですけど、そうじゃなくて、本作を通じてリングシリーズに初めて触れた人にとっては呪いの正体がなんなのかっていうのわからないわけじゃないですか。分からないから怖い。でも、もう冒頭から「ああ、呪われるとこの女の人が出てくるのね」というのがわかってしまう。これはどうなのかと。怖さ半減しちゃってるんじゃないかなと僕なんかは思いました。

 

リングシリーズのルールが曖昧に

映画『リング』において緊迫感を生んでるのって「7日後には確実に死んでしまう」というルールがあるからなんですよね。だから、日本版では合間に月日を入れることで少しずつ死へのタイムリミットが近づいていることを観客にも意識させているわけです。それによって、「まだ全然謎が解けてない。このままだと死んでしまう」と観客はハラハラするわけですね。

 

ところが、本作ではオリジナル同様「見ると7日後に死んでしまう」というルールはあるものの、それほど緊迫感がないんですよね。主人公たちもあんまりタイムリミットを意識してるように見えない。なんなら、ちょっとのんびりしすぎじゃね?ぐらいの余裕すら感じてしまう。いやっ、もうすぐあなた死んじゃうんですよとツッコミを入れたくなってしまいました。

 

あとこれもどうかなーと思ったのは、ホルトが通う大学のガブリエル教授について。彼も呪いのビデオを見てしまって、ダビングしたことで死を回避したはずだったんです。でも、物語の途中でガブリエル教授普通に死んじゃうんです。「えっ?教授呪いからは解放されたんじゃないの?」って話ですよ。これで教授が死ぬんなら、恋人のホルトだっていつ死んでもおかしくないし、ダビングしたら助かるというルールも意味をなさなくなってしまうわけで、違和感を覚えた部分でした。

 

現代にあった呪いの拡散のしかたは面白い

今の時代はDVDとかブルーレイを使ってる人が圧倒的多数ですよね。もはやビデオテープとかビデオデッキなんて過去の遺物と言ってもいいぐらい。(一応うちにはまだありますけど)特に今の若い人なんかはビデオとかを見たことがないという人も多いんじゃないでしょうか。

 

この辺は本作でも考慮されていて、呪いのビデオはデータ化されてPCであったりスマホで見られるようになっています。ビデオの場合ダビングするときはもう一本テープを用意しなければならないわけですけど、データならマウスでコピーをクリックすればすぐにできちゃう。この辺りはちゃんと今の時代に即した『リング』になっててよかったなぁと。

 

リングにおいて恐ろしいところは呪いのビデオや貞子の存在はもちろんのこと、「コピーされることで呪いがどんどん拡散してしまう」ところにもあります。まるでウィルスとか病原菌のようにね。ただ、ビデオの場合はダビングして、ダビングしたものを誰かに渡してそれを見てもらうっていう手間がかかるわけで拡散力は低いんですよね。ところが、本作のように呪いのビデオの内容がデータ化されてるとその拡散力はすさまじくなります。クリック一つでコピーして、メールとかに添付しちゃえばあっという間に広がっていく。これは普通にゾッとしたし、うまいやり方だなぁと思いました。

 

まとめ

今回は『ザ・リング/リバース』を紹介しました。個人的には日本版の『リング』に比べると見劣りがするし、既に日本版を見ているのならあえて見る必要はないかなと。ただ、それは僕が日本版の『リング』を観ていて、少なからず先入観みたいなものもあるので、そう思ってしまう部分もあるのかなと。なので、リングシリーズ見たことないって人や、リングシリーズとしてじゃなくてホラー映画として見たいっていう人であれば、見てみてもいいのかなと思います。