マンガから学ぼうシリーズ。
今回はスラムダンク19巻からです。
19巻では全国大会出場の残り1枠をかけて湘北と陵南が激しく争う様子が描かれています。
この巻では陵南のキャプテンでセンターの魚住がファウルを4つもらい一時ベンチへ。バスケの場合ファウル5つで退場のため、4つもらった時点で退場させられることを恐れて交代させるんですね。
大黒柱の魚住が抜けた陵南はここから湘北の猛攻にさらされます。魚住の代わりに入った控えセンターの選手は、湘北のセンター赤木に対抗できるレベルではなくゴール下の主導権をとられてしまい、一気に流れは湘北に傾くのでした。
そんな試合展開の中、魚住は過去の自分を発奮させるためなのか過去にした悔しい場面を思い出すのです。
ただでかいだけと言われた男、魚住純
魚住は陵南に入部した1年時から高校生離れしたそのずば抜けて大きい体格が注目されていました。
しかし練習での魚住は基礎的なフットワークにもついていけず他の部員から大きく遅れる始末。毎日ヨロヨロの状態で監督には怒鳴られ吐き続ける日々。
自分は ただでかいだけって
陰口たたかれているのも 知ってる
引用元:スラムダンク (19) (ジャンプ・コミックス) p132
いつも怒られ体力もない、先輩たちの足を引っ張り「ただでかいだけ」と陰口までたたかれている。そのことに耐えられなくなってきた魚住は田岡監督にもう辞めたいということを伝えるのです。
それに対しての田岡監督の言葉が僕にはグッと響きました。
でかいだけ?
結構じゃないか
体力や技術は身につけさすことはできる
だが・・・
お前をでかくすることはできない
たとえ俺がどんな名コーチでもな
立派な才能だ
引用元:スラムダンク (19) (ジャンプ・コミックス)p134
田岡監督は周りからのでかいだけという評価に対して、「でかいだけ」というのも立派な才能だよと魚住に告げるんです。
そして、そんな魚住が3年になった時には陵南初の全国出場を果たすことを夢見ていると伝えるんですね。
自分に対しての期待と田岡監督の夢を知った魚住はバスケ部をやめることなく、3年では陵南不動のセンターとしての地位を確立するわけです。
○○なだけも立派な才能
魚住であれば「でかいだけ」と言われていたように、世の中的には「○○なだけ」というのはどちらかというとその人を馬鹿にしたり否定する意味で使われるのではないかと思います。
でも本当にその○○なだけというのは馬鹿にしていいものなのでしょうか?魚住はその「でかいだけ」を活かして県内屈指のチームのセンターとして活躍しました。
また僕が知っているアスリートでいえばレッズなどで活躍した、元日本代表の岡野雅行さんもそのタイプだと思います。個人的な偏見も入りますが、岡野さんはプロのサッカー選手としてテクニックはそんなになくて、高さやものすごいセンスがあるわけでもない。ただ彼には最大の武器がありました。それは‥‥‥
「足がめちゃくちゃ速い!!」
岡野さんは大学時代に何かの測定で確か100mを10秒8とかで走ったらしいんですよね。これってメチャメチャ速いじゃないですか?僕もサッカーをやっていましたが、トップレベルのプロでも10秒台で走る選手っていうのはそうはいません。映像見てもらえばわかりますが、他の選手と比べてもほんとに速いです。後ろからぶち抜いていきますからね。
実際岡野選手は出場したレッズの試合でも彼が全力でボールを追いかけるだけで観客がわくんですよね。なんせメッチャ速いから。その足の速さを存分に生かして彼は最終的には日本代表入りして日本がワールドカップ初出場を果たした「ジョホールバルの歓喜」で決勝ゴールを決めてヒーローになるわけです。
テクニックも周りに比べれば高くない、センスもパワーも高さも自分より優れた人は沢山いる、ちょっと偏った言い方をすれば「ただ速いだけ」の選手が日本の代表選手にまでなってワールドカップにも出場したわけです。これってすごいことだと思います。
そう考えると「ただ○○なだけ」というのは馬鹿にはできない、それを才能と捉えて磨いていけば活躍できる可能性があるとも言えるのではないでしょうか?
○○なだけは立派な才能。その才能を活かそう。
もしかしたら、今これを読んでいるあなたも周りから「○○なだけ」と言われ馬鹿にされているもしくは馬鹿にされてきた経験があるかもしれません。
「ただでかいだけ」「ただ足が速いだけ」「ただオタクなだけ」「ただ人当たりがいいだけ」「ただこびているだけ」「ただ詳しいだけ」挙げればきりがないし、もしかしたらあなた自身がそんな自分を否定してしまっていることもあるでしょう。
ただそれは逆を返せば「あなたと言えば○○だよね。」という具合にあなたの特徴、長所をわかりやすく捉えているとも言えるでしょう。であるならばそれを活かさない手はありません。
魚住のようにでかさを活かし、岡野選手が足の速さを活かしたようにあなたも自分が持つ才能を活かしてみてはいかがでしょうか?卑下する必要はありません。それは田岡監督が言うように「立派な才能」なんです。ぜひそのことを頭に入れ、あなたの才能を活かすことを心掛けてみてください。
やがてその「○○なだけ」は人から羨まれるあなたの長所となるはずです。
それではまた!!