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『しんさいニート』から学ぶ、辛い経験をした人こそできることとは?

突然ですが、『しんさいニート』という漫画をご存知でしょうか?

 

 

著者のカトーさんは東日本大震災が発生した当時、福島県に住んでいました。震災で故郷を失ったカトーさんが故郷を逃れ、別の土地に移り住むのですが、さまざまな困難が彼を襲いうつを発症。

 

本作は前半部が東日本大震災が発生した当時のカトーさんの行動を中心に描き、後半部では新天地で過去に受けた心の傷や苦悩と向き合いながら、自身の経験を記した『しんさいニート』を出版するまでの描いています。

 

参考記事:カトーコーキ著『しんさいニート』読了。生きづらさを抱える人の苦悩と再生の物語。 - ニート気質な僕の生きる道

 

 

僕はこのマンガを結構前に読み終わっていたのですが、ふと「久々に読んでみようかなぁ」と思って、本棚から取り出してパラパラと読んでみたんですよね。そんで、やっぱりおもしろくてね、最後までバーッと読んでしまったんです。

 

色々と見どころがある作品なんだけど、今回久しぶりに読み返してみて改めて「ここ、読者の方と共有したいなぁ」ってところがあったんですよね。なので今回はその部分について書いてみようかなと思います。

 

 

カトーさんは自分の辛い経験を表現することで前に踏み出せた!

このマンガの後半部分には、カトーさんがうつを患って仕事をしていない状態から「自分だからこそできる仕事ってなんなのか?」を模索している部分が描かれています。そこで彼はハッと気づくんですね。

 

これらの人生経験とそれによって生まれた思考、思想だった

それこそが、ボクだけの

他の誰にも真似することのできない

唯一無二の‶売り‶であると

気づいたのだ

引用元:『しんさいニート』p279 著者 カトーコーキ イーストプレス

 

カトーさんはこれまで、お父さんからの虐待や自己否定、震災と原発事故によって故郷を失う、うつになるなど、生きていく中で他の人とは比べられないぐらい、たくさん辛くしんどい経験をされてきたわけです。

 

人によってはその経験というのは、蓋をして目をそむけたくなるぐらいしんどいものなのかもしれません。でも、カトーさんは「これこそが人とは違う自分だけの売りなんだ!!」ということに気づいたわけですね。

 

カトーさんははじめ小説を書こうとしたのですが挫折。次に取り組もうと思ったのがマンガでした。ただ、雑誌などに掲載されている作品はどれも絵が上手くて真似をするのは難しい。そこで彼が目を付けたのはエッセイ漫画というジャンルだったんです。

 

そして、今回僕が紹介している『しんさいニート』という作品を描くようになるわけです。カトーさんはこの作品を描くことで自分の過去を受け入れ、自分自身を徐々に肯定できるようになっていったというわけです。

 

ちなみに、自分の経験を売りにするということを、カトーさんがうつになった時にお世話になっていたカウンセラーさんも褒めてました。

 

あなたはご自分の経験を‶売り‶にするとおっしゃいましたが

実はそれがトラウマの唯一の解消法なんですよ

引用元:『しんさいニート』p294

 

彼の話によれば、トラウマをただ自分を苦しめるだけのものとして捉えるのではなく

そこから先の何らかの行動の糧とすることで、有用なものとしてとらえ直せるかが鍵なのだという

引用元:『しんさいニート』p295

 

つまり、簡単に言ってしまえば「過去の経験があったから今の自分がある」って捉えられるかどうかってことなんですよね。ただ口でサラッというのは簡単だけど、これは難しい。特にトラウマになるようなしんどい経験をした人の場合、そう簡単に割り切れるかい!と思う人もいるはずです。今ものすごいしんどい状況にいる人も、多分そう簡単に割り切ることはできないかもしれません。そういう人は無理しないでくださいね。

 

でも、カトーさんのように自らのつらい過去の経験やトラウマを糧にすることで、一歩前に進める可かもしれない、そのきっかけになるかもしれない。そのことは今これを読んでいる読者の方達にもぜひ覚えておいてほしいです。

 

自分のために表現することが誰かの後押しになるかもしれい

もう一つこの『しんさいニート』を読んでいて思ったのは、「自分のために表現することは結果的に誰かの後押しをすることになるかもしれないな」ということなんです。

 

どういうことかというと、カトーさんは当初この『しんさいニート』を自分のためだけに描き始めたんですね。マンガを描くのはあくまで、自分の過去やトラウマと向き合うための手段であって、誰かを勇気づけたいとか誰かのためになんてことは考えてなかった。

 

ただ、最初は自分のためにやっていたことも、作品を発表していくと少しずつ読者が付きます。すると、カトーさんが発表した自身の過去の経験やトラウマに対して共感や応援の声が届くようになったんです。つまり、自分のために始めたことが見知らぬ誰かに対して勇気を与えたり、いい影響を与えるようになったんですね。

 

これはすごいことですよね。カトーさんが自分の過去の苦しい経験やその時に感じたことを表現をしなければ、こうはならなかったわけです。

 

もちろん、自分の過去の経験やトラウマを発表したり誰かに伝えるというのは簡単なことではありません。中には思い出すだけで苦しくなってしまうなんていう人もいるでしょう。そういう人は無理をするべきじゃないと思います。まずは自分を回復させることを第一に考えましょう。

 

ただ、もしあなたがカトーさんのように自分の過去と向き合える準備が出来たのなら、その過去のつらかった経験を表現してみることも選択肢として考えてみてください。別にマンガじゃなくてもいいんです。文章だろうが、歌だろうが、朗読だろうが、詩だろうが、イラストだろうが、動画だろうが表現の仕方なんて人それぞれ千差万別であるでしょう。自分の思いや考えを表に出してみるんです。

 

中には、「たくさんの人に表現するなんてしんどい」という方もいるでしょう。であるならば、小さいコミュニティや、それこそ一対一でもいい。自分と同じようなつらい経験をしてきた方に、自分の過去の経験を語ってみる。自分がどうやって、その経験を乗り越えてきたのかを語ってみるんです。

 

人に話すこと、これも立派な表現です。それを聞いて共感する人や、気持ちが軽くなる人もいるでしょう。その結果、もしかしたらあなた自身の気持ちが軽くなるなんてこともあるかもしれません。

 

自分の表現は自分のためだけではなく、誰かを後押しすることになるかもしれない。そして、誰かを後押しすることで、辛かったはずの自分の過去を受け入れることができるようになり、結果として自分も前に進めるようになる。このサイクルが回り始めるようになれば、かなり生きやすくなるんじゃないかな?なんて思っています。

 

まとめ

というわけで、今回は『しんさいニート』から学ぶつらい経験をした人こそできることとは?という内容で記事を書いてみました。

 

辛すぎる経験なんてするもんじゃないし、できるだけ苦しい思いもせずに生きたいというのが多くの人の本音でしょう。僕もそう思います。

 

でも、実際に人生は苦しいこともあるし、思い出したくもないぐらいつらい経験をすることもあるわけです。人生は理不尽である。それが現実なのかもしれません。

 

そういう時に、『しんさいニート』のカトーさんが行ったように「自分の辛い過去や自分の思いや考えを表現すること」は前に進むためのきっかけになるんじゃないかと思います。

 

それにしても、改めて読み返してみて思いましたがしんさいニートはいい作品ですね。まだ読んだ事がない方はぜひ一度ご覧になってみてください(^^)

 

それでは今回はこの辺で。