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『最強伝説 黒沢』あまりに不器用なおっさんの頑張りに思わず涙してしまう作品!!

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世の中にいるオッサンのための漫画がある。何者にもなれなかった、あるいはなれそうにもない男たちの気持ちを代弁する漫画がある。

 

それは、カイジなどで同じみの福本伸行先生が44歳の冴えない毒牧作業員の奮闘を描いた『最強伝説黒沢』という作品です。

 

もうね、黒沢読んでると泣きそうになるんっすよ。何でかって?それは、「主人公の黒沢があまりにも不器用で報われないから」なんですよ。その空回ってる感じ、一人で勝手に突っ走ってヒーコラいってる感じっていうのが、客観的に見るとほんと滑稽にうつるわけですよね。思わずクスッとしてしまうこともある。

 

でも、その滑稽に映ることを黒沢はガチでやってるんです。その行動をとれば自分は報われると思ってやってるわけです。いやぁ、漫画とはいえね、こんな不器用な人間がいるのかと、こんなにうまくいかない人間がいるのかと思うと、「人生ってやつはなんて理不尽なんだ」と読みながら黒沢の気持ちが自分に乗っかっちゃうんですよね。そんで、気づいたら目に涙がたまっちまっている。ああ、無情‥‥‥。

 

黒沢のズレにズレたエピソード紹介!!

黒沢はとにかく人望がほしいんですよね。彼は、建設作業の現場で働いていて一応現場監督をしていたりするわけです。ただ、監督だからと言って後輩や同僚たちに慕われるのかというとそんなことはない。それどころか、同じく現場監督をつとめる自分よりも10個以上年下の後輩である赤松の方が慕われまくっている。まぁ、実際に赤松は優秀だし、気もきくしで現実にこんな人いたら、そりゃみんな慕うだろっていういい人なんだけど、黒沢からしたらそれがおもしろくない。いやっ、自分も慕われたいと思うわけですね。

 

でも、いつも通りやっていたんじゃあ黒沢が人望を得ることはできません。では、彼はいったい何をしたのか?これね、読みながら「マジかぁ‥‥‥。」と呆れるようなちょっと笑っちゃうようなエピソードですよ。

 

黒沢は建設現場の作業員の弁当にアジフライを入れることを思いつくんです。これ、意味わかんないでしょ!?つまりこういうことです。普段よりもボリュームがある弁当を見て、これは誰がいれたのかと現場の作業員たちはざわつくわけです。みんあ赤松が居れたのかと思いきやそうじゃない。そこに黒沢が登場して「自分がアジフライを配ったんだ」と告白をすることで、みんなから感謝の言葉と人望を集めようとするわけです。

 

ところがみんなはそもそもアジフライの存在に気づかない。当たり前っすよね。弁当のおかずが一品増えたことに気づくやつなんてそうそういません。よっぽど弁当箱からはみ出しでもしたら別ですが、黒沢が入れたアジフライによって、せいぜい少し容器が膨らむレベル。腹が減ってる作業員たちはそんなささいな変化にも気づかずにバクバクと食べるわけです。黒沢の作戦大失敗!!(ちなみにアジフライは自腹です)

 

そもそも、それだけでそんなに人望が集まると思ってしまうところがもうね、「黒沢!あんたどんだけ不器用なんだよ!」と思うじゃないですか。しかも、うまくいくことを信じちゃって、すげぇいい未来を想像しちゃってる。その未来と現実の落差よ。これ読んだおっさんは涙なしでは読めないんじゃないかな?

 

それでも頑張る黒沢の姿に勇気をもらえる!!

黒沢は不器用です。ほんととことん不器用な男です。でも、すげぇあがくんですよ。そして話が進むにつれて、徐々に人望を得たりしていく。でも、やっぱりそこは黒沢なので、とんとん拍子にうまくいくわけではなくて、厳しい現実が黒沢の前には立ちはだかるわけです。

 

でも、黒沢は諦めない。何を?自分の人生を。不器用でも泥臭くてもズレにズレまくる生き方だとしても、どうにか己の人生を好転させようともがく黒沢の姿。もうこれね、グッときますよ。特に僕のような何もないおっさんにはグサグサと刺さりまくります。最初はちょっと笑いの対象ですらあった黒沢のからいつの間にか、勇気を貰っちゃってるんですよね。「おまえも頑張ってみろよと。自分の人生諦めてんじゃねーぞ」と背中を押されてる気になるわけです。もはや、ちょっとかっけぇぇぇとすら思っちゃう自分がいます。

 

漫画の主人公ってやっぱりどこか普通の人たちとは違っていて、能力だったり何かを持っている人が多いけど、黒沢は違います。何もないけどそんな彼だからこそ僕のような人間には共感できるのではないかなと思っています。

 

まとめ

そんなわけで今回は『最強伝説黒沢』の感想を書いてみました。

 

カイジやアカギのように、福本先生の他作品のような緊張感やスリルといったものは少ないかもしれませんが、そのぶん日々を生きる僕らに近い主人公のもがく姿にはきっと何か感じるものがあるはずです。ぜひおっさんや、これからおっさんになるであろう人たちには読んでほしい。黒沢のように全力であがくのは難しいかもしれない。それでもほんのちょっぴりでもあがけば何かが変わるかもしれない。あがいてあがいてあがきまくる黒沢の姿から何かを感じてもらえればななんて思っています。