『最強伝説黒沢』の主人公黒沢は物語の当初とにかく人望がないんですよね。彼は建築会社の作業員として働いてるわけですけど、人望がなさ過ぎるがゆえに、突飛な方法でてっとり早く人望を手に入れようとして失敗してしまうわけです。(後に少しずつ慕われるようになりますが‥‥‥)黒沢、あんた不器用すぎる。
でね、僕はこの黒沢の姿を見ていて、僕はこう思ったんですよね。
「これ、黒沢と逆のことをすれば人望って得られるんじゃね?」と。つまり、黒沢を反面教師にすることができれば、周りの人たちから人望を得ることができるんじゃないかなと。
というわけで、今回は『最強伝説黒沢』の主人公黒沢を反面教師にして、どうすれ場周りの人から人望を得ることができるのかっていうのを学んでみたいと思います。
変わったことはやらなくていい。まずは王道を行け!!
まずはシンプルに「王道を行くこと」これが、人望を得るためのストレートなやり方だと思います。
では、王道とはいったいどういうことなのか?それは、会社なら仕事で成果を出す、学校なら勉強やスポーツができるといった、「周りから見てわかりやすい結果を出すこと」ではないかと僕は思います。
黒沢は土木作業員で一応現場監督という肩書はあります。かといって、現場の作業員をうまくまとめているとか、スムーズに仕事がまわるように工夫をしているわけでもなく、年齢を重ねたため自動的に現場監督という肩書を得たといっていいでしょう。
そのため周りの同僚や後輩からは一応年上としてむげにされてはいないものの、特に慕われるでもなく、悶々とした日々を送るはめになっているのです。
その一方で、黒沢と同じ現場には赤松という若手の現場監督がいます。彼はまさに王道を行くタイプ。黒沢よりも15歳以上年下ですが、すでに現場で働く上で必要な数々の資格を持っています。さらに現場での同僚や後輩に対する指示も的確で、かといって口だけで何もしないというわけでもなく、積極的に重たいものを持ったりして周りにも貢献。
まさに「仕事ができる男」として同僚や後輩、はたまた別会社の人間からも一目置かれています。中には「赤松さんが会社をつくるならそっちにいきます」なんていう後輩もいるぐらいです。赤松めちゃめちゃ人望ありますね。
もちろん仕事ができるとか勉強ができるということだけが人望を得る方法ではありません。ですが、他者が真似できないレベル、もしくはその会社、その学校、そのクラス、そのチームなどなど狭いカテゴリーの仲でもいいので、トップレベルの結果を残すこと。それは、「あの人すごいよね」という人望につながるのではないでしょうか?
気配りができる。これも大事!!!
2つ目は気配りができることです。僕もそうですが基本的に人って自分のことを優先的に考えますよね?もちろん、最低限の気は使うでしょうが、なかなか周りに気をつかえない、周りがどう思うかに気づけないそんな人もいるのではないでしょうか?
黒沢はというと、「自分が人望を得るにはどうしたらいいか?」で頭がいっぱいです。ただ、そこに「相手がどう思うか?」という視点がない。だからとりあえず、現場では重いものをフラフラになりながらかついだり(周りの作業員にぶつかりそうになる)、余計なことを考えて現場から飛び出しちゃったりしちゃうんですね。これでは、周りから人望を得られるはずもありません。
一方赤松はというと、黒沢みたいに「人望を得るには?」みたいなことは考えてないんですよね。むしろ、現場監督して当たり前っちゃ当たり前なんだけど、「どうすれば現場がうまく回るか?」っていうことを第一に考えているわけです。そこが黒沢とは違います。自分のことばかり考えるか、他人のこともしっかり考えられるかっていうところですね。
だから、現場では勝手にライバル視をして、どこか無愛想な黒沢にもしっかりあいさつをするし、さりげなく奥さんが用意した温かいコーヒーを現場のみんなに振る舞うこともできる。それもさりげなく自然に。そりゃ、赤松は慕われるわけだよと納得してしまうわけです。
怒るな!大らかであれ!!
黒沢は良くも悪くも非常に感情的な人間です。すぐ落ち込むし、逆に「これならいけるぞ!」と思い込んでテンションが上がったりと、上下動が激しいんですよね。まぁ、それが個人的には人間臭くてとても好きなのですが、時にそれが悪い方向に転がってしまうこともあるわけです。
これは、黒沢がこずるいやり方で人望を得ようとしたときの話です。黒沢は現場で作業員に配られる弁当すべてにアジフライを入れることを思いつきました。普段の弁当にアジフライを仕込んでおけば、不自然に膨らんだ弁当の容器を見て「誰がアジフライを入れたんだ」と現場は騒然。当然、気配りができる赤松がやったのではとみんなは思うのですが、当の赤松は違うと否定。そこで、黒沢が登場し、「アジフライを入れたのは自分である」とさりげなくアピール。さらに、お替りのアジフライまで用意をすることで、みんなから感謝され人望がある男への扉が開かれるという魂胆です。
まぁ、読者の方はなんとなくわかるでしょう。そうです。この黒沢の虚しい努力は水の泡になるのです。
現場の作業員は誰一人として、この異変(アジフライがおまけで入っている)ことに気づかなかったんですね。そりゃ、そうですよね。多少容器が膨らんでいても「おっ、ラッキー。今日は豪華だな。」なんて思うことはあっても、「えっ?なんかいつもより弁当が豪華だ!!誰かがアジフライを入れたに違いない」なんて思うわけないんです(笑)黒沢のぶっ飛んだ想像力にはこちらがビックリしてしまいますが、これが彼の滑稽なところでもあり、愛すべきところでもあったりします。
で、この後悲劇が起こるんです。なんと、アジフライのことに気づいてもらえないどころか、黒沢が本来食べるはずだった弁当が見当たらないんです。自腹きってアジフライを差し出したのに、何もメリットがないどころかメシすらない状況。黒沢は怒り気味に「弁当を探せ!」と後輩たちにまくしたてるんです。
すると、弁当は無事発見されるんです。ところが何故かそこには2つの弁当が。1つは黒沢の弁当です。ではもう1つの弁当はいったい‥‥‥
「そう、赤松の弁当なんです!!」
怒り狂って弁当を探させた黒沢、その一方で「ないならしょうがない」と他の作業員に一切そのことを告げず淡々とその場にいた赤松。もう勝負ありです!!
現場の作業員たちは羨望のまなざしを赤松に向けます。もちろん、黒沢のことなんか誰も見てやしない。それどころか、さらなる悲劇が黒沢を襲うのですが、そこはぜひ本編を見てほしい。ほんと、あまりに気の毒すぎて泣けてくるので。
まぁ、どこにでも、怒りに身を任せて他者に当たってしまう人はいると思います。人間には喜怒哀楽の感情があるわけで、僕だって怒る時はあるし、あなただって怒る時はあるでしょう。でも、それが明らかに「感情がコントロールできていない」ってわかるような状態、「ああ、この人振り回されちゃってんな」っていう人は人望を得ることができないと思うわけです。それこそ今回例に出した黒沢のエピソードなんてまさにそうで、周りの人間からしたら「この人なんでこんなに怒ってんの?」ってなるわけですよね。アジフライを入れたことなんかみんな知りやしないんだから。
一方赤松に関しては、本来少しぐらいなら怒ってもいい場面でも非常に冷静でした。ふつう現場の作業していたら体力も使うし腹も減るでしょう。午後からのことを考えたら「なんで!?」ぐらいに言ったところで誰も変には思いません。ただ、赤松はそれすら言わなかった。予想を上回り冷静かつ謙虚な男だった。それが、周りに感動を与え、彼はさらなる人望を得ることになったわけです。いやぁ、赤松すごすぎる。
まとめ
というわけで、今回は『最強伝説黒沢』を読みながら、周りから人望を絵うための方法について書いてみました。
まぁ、ここまでは黒沢完敗っすね。赤松はそりゃ慕われるわと納得できるし、逆に黒沢は「そりゃ、人望ないわ」とこちらも納得できてしまう。
ただ、こっからですよ。ここから黒沢がどう巻き返していくのか?あがきながら銅挽回してくのか?なんてところをぜひ見てほしいのでね、興味があればぜひ『最強伝説黒沢』を読んでみてくださいね♪