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マイケル・ムーア監督の『華氏119』を観た感想を書いてみました!!

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ありがたいことに、映画の試写会に当選したので行ってきました。上映された作品はマイケル・ムーア監督の『華氏119』です。

 

 

数々のドキュメンタリー作品を生み出してきた、マイケル・ムーア監督がアメリカ大統領選から「なぜ、トランプ大統領が生まれたのか?」を、アメリカが抱える様々な問題からひも解いていくというものです。

 

※ネタバレありなのでご了承ください

 

アメリカが今抱える問題を網羅した作品

個人的には、貧困とか、銃規制、人種差別、公共事業の過度な民営化、そもそもの政治システムのおかしさなど、一本の映画でざっくりとではあるけども知ることができてよかったと思います。

 

もちろん、アメリカの事情をよく知る人からしたら当たり前のことなのかもしれないけど、そうじゃない僕からしたら「アメリカは想像以上に問題を抱え込んでるな‥‥‥」ってちょっとげんなりするレベルでした。

 

で、そういう一見するとバラバラな問題が実はトランプ大統領が生まれる下地になっていたわけです。でそれを把握していたのがマイケル・ムーアだったというわけですよね。アメリカでは、大方の予想でヒラリー・クリントンが勝つと言われていました。だけどムーアは「トランプ勝利もありうるぞ」と予想していたわけです。その辺の先見の明はすげぇなというか、彼がきちんとアメリカの諸問題と向き合って、そこで何が起こっているかを取材していた結果なんだろうなと。

 

そんな感じで、アメリカのいろいろな問題に触れることができて、とてもいいな思うんだけど、けっこうあっちこっちに扱う問題が飛ぶのでそこは要注意かな。油断してると色々な情報がバーッと入ってくるので、自分の中で整理するのが大変でした。

 

あれ、次はこっち?今度は別の問題?みたいな感じで展開がすごい早いんですよ。僕なんか映画観終わった後、内容を忘れないようにコンビニでメモったぐらいですからね。それぐらい情報量は多いし展開も早い。なので、これから観ようと思っている方は、その辺り覚えておいてもらえたらななんて思います。

 

トランプ自身の資質にも言及

この映画は先述したように、アメリカの諸問題から「なぜ、トランプ大統領が誕生したのか?」を取り上げているのですが、もちろんトランプ大統領自身の資質についても取り上げています。まぁ、ムーア自身がトランプ否定派なのでやや偏りはあるにせよ、それを差し置いても「うわぁ、この言動はひでぇな‥‥‥。」というものがたくさんあって、「こういうことを言う人が世界のトップの国の大統領なのか。」と思いましたね。セクハラ的な発言とかかなりひどかった・・・。

 

まぁどの言動も思わず頭を抱えてしまいたくなりますが、特に僕が印象に残っていたのは、トランプが独裁体制、もしくは独裁者に対して少なからずポジティブな印象を持っていたということです。

 

権力を持つ人間は、その権力を手放しくたくない、自分の影響力を保っておきたいがために独裁体制を築こうと考えがちですが、彼も例にもれずという感じなのかもしれません。まぁ、権力とか強いもの大好きそうですし・・・。

 

ただ人によっては、独裁制を容認するなんていう人もいますよね。「いい独裁者の場合もあるじゃん。自分たちのことを考えてくれる独裁者ならよくね?」と。いやいや、それはその時にたまたまいいように見えただけであって、じゃあ独裁者が手のひらを返して、自分の好き勝手やり始めたらどーすんのって話なんですよ。しかも、そういう独裁者は自分が好き勝手にやるために本来権力者を縛るための法律だって変えてきますよと。

 

そうなったらマジでひどいですよ。誰もその独裁者、独裁政権を抑えられなくなるわけです。法律に守られた独裁者ほど恐ろしいものはないですよね。だって、国が持つ暴力装置を自由に使えてしまうわけですから。

 

この映画ではそれこそヒトラーとの比較もされてたけど、パワーを持った独裁者が間違った方向につき進めば、それは多くの人の人権を踏みにじってしまう可能性があるんですよね。僕らはそれを忘れてはいけないはずです。

 

参考記事:『劇画ヒットラー』孤独な独裁者の一生を淡々と描いた力作。 - エンタメなしでは生きてけない!!

 

問題だらけの中での希望

トランプ大統領のことやアメリカの抱える数々の問題を観ていると、なんだか他国に暮らす僕らまで気持ちが沈んでしまいそうですが、ムーアは本作の中で希望に繋がる部分も撮影しています。それは、各地で声を上げる名もなき人たちの存在です。

 

僕が特に感激したのは、アメリカの若者たちの行動でした。2018年の2月にアメリカで起こった銃乱射事件を機に、被害者たちの通っていた学校の生徒たちがこれはおかしいだろと動き出したんです。

 

彼らが起こした運動の詳細については、ぜひ映画を観て確認してもらいたいのですが、僕はシンプルに「アメリカの若者スゲぇぇ!!」と思いました。多くの人々を巻き込み、声を挙げ社会の矛盾やおかしいところを指摘していく。もちろん、若者ならではの危うさもあるだろうし、中には単にノリでっていう人もいるとは思います。でも、とにもかくにも彼らは動いて社会に大きなインパクトを残した。これにはすごい価値があると思います。

 

この辺は基本的に落胆が続く本作の中において、希望を見いだせる部分なんじゃないかと。政治家や権力者たちに対しておかしいと思ったら声を挙げる。そして、圧力をかけてアクションを起こさせる。そこで、諦めてしまうか、「おかしいじゃん!」と声を挙げるかどうかで、国の方向性が変わってきてしまう気がしますね。この辺は、アメリカ云々じゃなくて、僕らも見習うべきところなんだろうなと思います。ほんと胸にくるものがありました。

 

まとめ

そんなわけで、今回はマイケル・ムーア監督の『華氏119』を観た感想を書いてみました。

 

本作は今のアメリカの問題をしっかりと描いた、見ごたえのあるドキュメンタリー映画だと思います。決して対岸の火事ではありません。アメリカという国が抱える問題から僕らが学べることはたくさんあるはずです。興味がある方はぜひご覧になってみてください!!

 

それでは今回はこの辺で。