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『児童福祉司 一貫田逸子』児童相談所の仕事について知りたい人におススメの作品!!

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 厚生労働省の『平成29年度児童虐待対応件数(速報値)』を見ると、児童虐待対応件数は統計を取り始めた1990年から毎年のように増加をしています。

 

参考:https://www.mhlw.go.jp/content/11901000/000348313.pdf

 

この数値の増加には、社会が「以前に比べて社会が虐待に関心を持つようになった」ことが大きく関与しているように思います。実際、さきほどの資料でも警察や近隣知人、家族や学校からの相談件数は増えているとされており「これまではそれぞれ家族の教育やしつけは別だから」ということで、見過ごされてきた虐待あるいはそれに近いものも通報されるようになったわけです。

 

僕はこの流れはとてもいいことだと思っています。これまでの「子供は家族で育てるもの」という考えは、あまりにも家族に負担が大きいし、時に社会の責任を放棄させてしまうことにもなりかねません。それよりも「子供は家族と社会で育てる」という形にし、もし子供が虐待されているようなことがあれば、積極的に外から関わり支援をしていく。その方が家族の負担も減るし、何より子供が救われるはずだと思うからです。

 

ところで、あなたは虐待が行われた時にどこに通告するのかをご存知でしょうか?

 

児童虐待防止法第6条第1項

児童虐待を受けたと思われる児童を発見した者は、速やかに、これを市町村、都道府県の設置する福祉事務所若しくは児童相談所又は児童委員を介して市町村、都道府県の設置する福祉事務所若しくは児童相談所に通告しなければならない。

 

つまり、

 

  • 市町村
  • 福祉事務所
  • 児童相談所

 

が通告先になるということです。その中でも最近は児童相談所への注目が特に高まっているように思います。テレビでも虐待によって犠牲になったお子さんの事件に付随して、児童相談所の仕事内容や、その実態などがしばしば取り上げられたりしますよね。

 

ただ、なかなかじっくりテレビなんかを見れないし、本を読んだりというのもちょっと‥‥‥なんていう人もいると思います。そこで、今回はそんな児童相談所の仕事や課題なんかを理解できるマンガを紹介してみようと思います。

 

 

虐待の厳しい現実を知ることができる

作品の内容は、児童福祉司の『一貫田逸子』が、日々起こる児童虐待を前に奮闘するというものです。彼女の働く様子から、児童相談所の仕事、虐待の厳しい現実について知ることができます。

 

まぁ、漫画ということもあって主人公がちょっと突っ走りすぎたり、子どもや親にやや介入しがちではあるというのはあると思います。「ここまで相手の懐に飛び込もうとする児童福祉司いるか?」って思うことも。ただ、それはあくまでフィクションとしてみればいいのかと。

 

問題は、そういう熱心な職員であっても、子どもが虐待にあっているかどうかがすぐにはわからないということです。そこには「家族の壁」があるからです。さすがに児童相談所の職員とはいえ、家族の中にズカズカと踏み込むわけにはいきませんよね。

 

もちろん、アザができているとか明らかに殴られた跡があるとかなら話は別です。でも、そういうわかりやすい事例ばかりがあるわけじゃない。食事を与えないとか、言葉の暴力とかそういう目に見えない虐待というものもあるわけです。主人公を始め児童相談所の職員は「あの子はもしかしたら虐待されているかも?」という通告をもとに、そうしたわかりにくい虐待も含めてその子供がいる家族を調査していきます。

  

ただ大抵の親は「うちでは虐待をしていません」と否定をするんですね。そりゃ、そうですよね。わざわざ児童相談所の職員に「そうです。わたしは子供を虐待をしています」なんていう親はあまりいないはずです。それを言ったら子供と引き離されてしまいますから。かといって、そうした家族に無理やり介入してどうこうということはなかなかできないわけです。無理に家の中に入るなんてことをしたら、それこそ大問題になってしまいます。慎重に虐待の事実があるかどうかを調べていかなければなりません。

 

そうした虐待の問題を発見し解決していくことの難しさを本作では痛いほど突きつけられます。よくフィクションにありがちな「なんとか解決しましたメデタシメデタシ」というお話ばかりではありません。時には子供が死んでしまうことだってある、そんなきれいごとだけでは済まない虐待の現場をしっかりと描いている。読んでいて辛くもなりますが、一方で目をそらしてはいけない社会の問題を読者の心に深く刻み付けてくれます。

 

まとめ

そんなわけで今回は『児童福祉司 一貫田逸子』という漫画を紹介してみました。

 

あまりエンタメ性は高くないかもしれませんが、時にはこうした作品を通じてすぐ身近にある社会の問題に目を向けてみるのもいいと思います。

 

児童相談所の職員がどういうふうに仕事をするのか、仕事の流れや厳しさなんかも何となくつかめると思うので、興味がある人はぜひご覧になってみてください。