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『群衆心理』を読むと、為政者や権力者が人々に思想を植えつける方法を知ることができるぞ!

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先日僕が紹介した『群衆心理』という漫画があります。

 

 

『群衆心理』というタイトル通り、群衆の心理について学べる漫画でオススメなんですが、この中に、「群衆の精神に、思想や信念を染み込ませるための主たる3つの手段」について書かれていてこれがメチャメチャ心に残ったんですよね。

 

それがなぜかというと「あっ、これって人々を扇動するときに為政者がやるやつじゃん」って思ったんです。

 

その手段とは具体的にいったいどういうものなのか、本書から引用してみますね。

 

断言ー 推理や論証もなしに無条件に断言することは群衆の精神にある思想を染み込ませるのに確実な手段である

反復ー反復された事柄は、無意識界の深奥部に刻みつけられる。

感染ーある断言が十分に反復されて、意見の趨勢が形作られれば強力な感染作用が群衆の間に働き始める

引用元:『群衆心理』櫻井成夫 訳 講談社学術文庫より引用(一部改変)

 

まずは、断言。これは簡単に言えば「○○だ!」「○○である!」と言い切るってことですね。怖いのは「推理や論証もなしに無条件に断言」をしたとしても、それは群衆の精神に刻み込まれる可能性があるってことです。

 

それこそ誰かが根拠もなく「○○という人間は○○だ!」と罵ったとしたら、それが相手の中に残ってしまうとしたら、すげぇ怖いなと思うんですよね‥‥‥。

 

次に反復。これはもう文字通り「同じことを繰り返す」っていうことです。繰り返し何度も何度も同じ断言を行うことで、自分の主張を相手に刻みつけることができるということです。

 

最後が感染。断言し、その主張を反復していくことで群衆の間に感染する、つまり自分の主張が広がっていくというわけです。

 

ではこの手段を知ることでいったいどのようなメリットがあるのでしょうか?僕は2つメリットがあると思っています。

 

①人々に自分の考えを植え付けたい時に使える!!

一個はもうそのまんまです。

 

この手段は人々に自分の考えを植え付けたい時に使えます。

 

この漫画ではフランス革命期に弁護士から政治家に転身したロベスピエールという人が、この「断言、反復、感染」という手段を用いて、市民に自分の存在をアピールし政治家になった場面を描いています。

 

彼はもともと貧しい人の弁護人を務めることが多くて、上流階級からは疎まれている存在だったんです。そのためそういった層からの支持を取り付けるのは難しい。そこで、彼は上流階級以外の浮動票を狙い、市民に対して自分の主張や存在をアピールしていくことを考えたわけです。で、結果的にライバルとの争いに勝ち政治家になることができたんですね。

 

僕は先ほど「これって人々を扇動するときに為政者がやるやつじゃん」と書きましたが、要は使いようなんですよね。

 

為政者が自分に都合のいい内容を人々に植え付けたい時にも当然この手段を使うことはできます。例えば「○○人は諸悪の根源だ!○○人こそ我々の敵だ!」みたいな言ってしまえば悪意のある思想を植え付けることも可能。かつてのナチスドイツとかまさにこの手段を用いていた気がします。

 

一方でロベスピエールのように、あまり強くない立場の人間が自分の主張や考えをアピールするときにも用いることができるわけです。どちらかというと不利な立場の人間が、戦術として使うってことですね。これは使い方としては非常に賢いんじゃないかなと思うんですね。

 

※ただしロベスピエールはのちに恐怖政治家として人々から恐れられるようになります。

 

②人々にどのような思想を植え付けようとしているかを理解できる

で、僕としてはこっちの方が大事だと思ってるんですよね。特に一般市民は、この手段を理解することで、「為政者とか権力を持つ人間が人々にどのような思想を植え付けようとしているのか」っていうのが理解できるようになるんじゃないかと。

 

例えばですけど「あの政治家やたらと断言口調でしゃべるよな」ってなった時に、もしかしたら・・・って疑えるわけですよね。で、じゃあ彼が断言している内容に具体的な根拠はあるのか、根拠を提示してしゃべっているのかってってことを考えればいいわけです。

 

仮にこれが毎回のように「○○人は我々の敵だー!!」っていうことしか言ってなかったとしたら、そこに論拠とか具体的な証拠みたいなものはありませんよね?なので、そういうことを繰り返してる人間は「単にそういう主張を人々に押し付けたいだけなんだな」と考えておけばいい。

 

もしくは、「じゃあ本当に彼の主張は正しいんだろうか?」と疑って自分で調べればいいというわけです。そうすれば、誰かの主張や考えを無意識のうちに植え付けられたり、その考えに自分の行動が振り回されたりする可能性が減るわけですね。

 

ましてや、今の時代、様々な発信ツールがあるわけですから、いくらでも人々に自分の考えを訴えることは可能なわけですよ。それこそSNSとかだってそういう声にあふれてたりするし、自分の主義主張を人々の心に植え付けることはできてしまいます。

 

より他人の主義主張に振り回されやすい時代だからこそ、この「断言、反復、感染」という手段があるってことは知っておくといいと思いますね。他人に悪意のある主張を植え付けられないために、他人の考えに振り回されないためにも覚えておいて損はない知識なんじゃないかと思っています。

 

まとめ

そんなわけで、今回は『群衆心理』を読むことで、為政者や権力者が人々に思想を植え付ける方法を知ることができるぞ!ってい内容で記事を書いてみました。

 

為政者とか権力者とかって巧みにそういう手段を使って、人々を扇動したりコントロールしようとしたりするので、心理学って知識として知っておいて損はないです。

 

特にこの『群衆心理』という漫画は、そのことがものすごーくわかりやすく描かれていて、個人的にはオススメの作品なので興味のある方はぜひ一度ご覧になってみてください♪

 

それでは今回はこの辺で。