マンガから学ぼうシリーズ。
今回はドラゴンボールの42巻から「人に頼みごとをする時に必要なこと」について学んでいこうと思います♪
ドラゴンボール42巻の簡単なあらすじ
ドラゴンボールは42巻が最終巻です。この巻では魔人ブウとの最終決戦が中心に描かれています。
界王神界にて魔人ブウを迎え撃つことになった悟空とベジータ。しかし魔人ブウは予想以上に強く悟空たちは苦戦します。
ここでベジータが思いついたのが、「地球人みんなからギリギリまで元気を集めた元気玉で魔人ブウを倒すこと」でした。地球人は地球ごと魔人ブウに殺されてしまいましたが、ドラゴンボールで復活させることに成功。彼らに協力をしてもらうことで魔人ブウやっつけようと考えたんですね。
最初このシーン見た時「まさかベジータの口から元気玉なんて言葉が出てくるとは。」と驚きましたね。みんなの力を借りてなんてベジータの頭の中に浮かんでくるとは思いもよりませんでしたから。やっぱり愛すべき家族を持って、少しずつ人間味が出てきたのかなぁ。
とにもかくにも元気玉で魔人ブウを倒そうと考えたベジータは、界王様の力を借りて地球の人たちに「魔人ブウを倒すために力を貸してほしい。」と語り、手を空に向けた上げるように頼みます。ところが協力してくれるのは悟空の仲間たちばかり。素性も知らない人間の頼みごとなんて怪しすぎて言うことを聞いてくれないわけです。
ベジータの頼みでは結局地球の人たちからほとんど元気を集めることができず、今度は悟空が頼みます。
ち 地球のみんな!!!
たのむ!!!
たのむから 元気を
わけてくれ!!!
みんなの助けが必要なんだ!!!
空に手を上げてくれ!!!
はやく・・・!!!
引用元:ドラゴンボール (巻42) (ジャンプ・コミックス)p178
悟空の声をききかつて悟空に助けられた人、悟空と関わった人たちが手を上げます。しかしそれでも地球の人たちは怪しがって協力をしてくれません。万事休すか‥‥‥。そう思われた次の瞬間ある人物が声を上げるのです。
き きさまら
いいかげんにしろーーーっ!!!
さっさと 協力しないかーーーっ!!!
この
ミスター・サタンさまの
たのみも きけんと
いうのかーーーーーっ!!!
引用元:ドラゴンボール (巻42) (ジャンプ・コミックス)p181
この様子を見ていたミスターサタンが一括。すると地球の人たちの態度が一変します。なぜなら彼は格闘技の世界チャンピオンであり、かつて地球を恐怖のどん底におとしいれたセルを倒した(と勘違いされている)スーパーヒーローだからです。
スーパーヒーローサタンの頼みならということで、これまで協力を渋っていた地球の人たちはみんな空に向けて手を上げます。これによって一気に地球人みんなの元気を集めた元気玉が遂に完成したのです。
地球のみんなの思いが詰まった元気玉。悟空は体力を使い果たしていて途中押し返されそうになりましたが、ドラゴンボールのおかげで体力が回復しとどめを刺すことに成功。ついに魔人ブウを完全に消し去ることに成功したのです。
ミスターサタンには権威があった。
今回魔人ブウを倒すために元気玉を使いました。しかし、元気玉で魔自分を倒すためには「地球の人たちからギリギリまで元気を集める」ことが条件でした。
そのため最初はベジータが地球の人たちにお願いをし失敗。次に悟空もお願いをしたのだけど悟空のことを知っているほんのわずかな人たちからしか集めることができずこれまた失敗。そして、最後に声をかけたミスターサタンの一声によって地球のみんなが一斉に手を上げて元気を集めることに成功したのです。
では悟空やベジータとサタンにはどんな違いがあったのでしょうか?頼み方でしょうか?声のトーンでしょうか?いえ、違います。
じつは前者と後者には「権威」があるかないかの違いがあったのです。
権威とは、自発的に同意・服従を促すような能力や関係のこと。
引用元:権威 - Wikipedia
Wikipediaにもこう書かれているように権威には人に同意や服従を促す作用があります。 サタンが悟空たちに唯一と言っていいレベルで勝っているのが権威の力なんですね。これに関してはサタンの圧勝と言ってもいいかもしれません。
先述したようにミスターサタンは格闘技の世界チャンピオンとして多くの地球の人たちに名が知れています。さらに言えば彼は人造人間セルから地球を救った(と思われている)スーパーヒーローです。救世主です。その人気っぷりから『サタンシティ』という彼の名前が付いた街まであるぐらいです。彼が登場し何か発言すればそれだけでテレビカメラが注目し多くの人が熱狂してしまう、そんな存在なわけで彼の影響力は絶大なんですね。
一方悟空たちは何度も地球を悪の手から救ってきましたが、その活躍はあまり知られておらず世間的にいえば無名の存在で権威はないんですね。
心理学においても権威がある人間とない人間では圧倒的に「権威のある人間」の言うことを聞くということが知られており、セールスや広告といった人を動かしたり、説得したりする必要がある分野でも活用されているほどです。そのためミスターサタンのような権威のある人間の言葉によって人々が動かされたというわけです。
人を動かしたかったら権威の力をうまく使おう
今回のことから学べるのは
「人を動かしたかったら権威の力をうまく使えばいい。」ということです。
たとえば身近な例でいえば本の帯がわかりやすいかもしれません。
時々本の帯に作家の先生や有名人の推薦コメントなどが掲載されていることがあると思います。あれはまさに「権威」の力を使っているんですよね。同じ本であっても帯に何のコメントも書かれていないものより「○○先生推薦!!」みたいなものの方が手に取る可能性は高いはずです。
これはその分野で権威を持つ人や有名人のコメントによって本のクオリティに対する信頼性を担保しているんですね。それによって読者の人も信頼してその本の購入に繋がるわけです。
なのでもしあなたが何らかの形で「人を説得する」「人を動かす」ような職業、あるいは立場にいるのであればぜひこの権威の力をうまく活用しましょう。
ただ単に自分だけで説得するのではなく、権威ある人の言葉や作品、あるいは本人から直接推薦してもらうなどやり方は色々あるはずです。さすがにミスターサタンが地球の人たちを動かしたようにはいかないかもしれませんが、目の前にいる人ぐらいなら説得したりお願いを聞いてもらえる可能性は高まるはずです。
「権威の力をうまく使おう」
それではまた!!