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後漢の滅亡から学ぶ。独裁政治になると権力は腐敗しやすい。

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三国志第三巻。

 

黄巾の乱をどうにか平定した官軍。各地で戦っていた将軍たちも当時の都であった洛陽へと凱旋します。

 

将軍たちはその功績を認められ恩賞が与えられます。ところが活躍をした劉備たち義勇軍にはいつまでたっても何の報せもありませんでした。(しかも、場内に入ることは許されず場外でテントのようなもので待機していた)

 

そこに通りかかったのは劉備たちの活躍を評価していた張鈞という人物。彼は「すでにほかの将軍たちは恩賞をもらっている」ということを劉備に告げ、直接帝に劉備たちのことを伝えてくれるというのです。

 

ここで一つ疑問が生まれてくると思います。

 

「なぜ劉備たちだけいつまでたっても恩賞がもらえないのか?」

 

ということです。黄巾の乱における劉備たちの活躍はそのほかの将軍たちに決して見劣りするものではありません。なのに、なぜ彼らだけいつまでたっても何も与えてもらえないのでしょうか?その理由はというと、

 

「賄賂を贈っていないから」

 

なんですね。

 

当時の中国には十常侍と呼ばれる十人の高官たちが国を牛耳っていました。彼らは今でいう大臣みたいなものです。ただ、彼らがあまりにも権力をもち過ぎた。

 

この時の帝はまだ若く政治のことも、世間で何が起きているかもよく知りません。そこで本来ならば十常侍たちが帝を補佐をし、国を良い方向に導かなければならないにもかかわらず彼らは私利私欲に走り、自分たちの好き勝手に国を支配したのです。

 

その悪い政治の典型例が賄賂です。彼らは賄賂によって官職を与えたり、逆に賄賂を与えないものは理由も無く官職を取り上げるなど、汚職まみれの国にしてしまったんですね。

 

そのため、劉備たちのようにたとえ功績があろうとも賄賂を贈ることをしない者にはいつまでも恩賞が与えられなかったというわけです。

 

まぁ、時代が違うとはいえこういうわかりやすく腐っている政治家を見ると腹が立ちますよね。彼らは最初から国を良くしようと思ってい政治家になったのか?はたまた、権力をもつに従って私利私欲に走ってしまったのか?なんてことを考えてしまいます。

 

独裁政治に腐敗はつきもの。

劉備たちに目をかけてくれた張鈞ですが、帝に政治の腐敗や十常侍たちの悪政を伝えたところ、十常侍たちにそのことがばれて暗殺されてしまいます。

 

十常侍たちは帝に「張鈞の言ってることは全部ウソ。自分が出世したいからいってるんですよ。」といい、帝もその言葉を信じてしまうのです。表向き十常侍たちは帝に従っているように見えますが、きっと陰では扱いやすい暗愚ぐらいにしか思ってなかったんでしょうね。帝も若いとはいえ何も知らないがゆえに十常侍の言うことが正しいと思わざるを得ないというわけです。無知とは悲しいものです。

 

結局、この十常侍たちの好き勝手なふるまいを見ていて思うのは

 

「独裁政治の場合、権力は腐敗するよね。」

 

ってことです。やっぱり人間なんてものは利己的なものだし、絶大な権力をもちなおかつ誰からも何も言われないような状況であれば「国のことよりも自分のこと」に優先順位をおくものがいてもおかしくありません。

 

独裁者とかってまさにそうですよね?国民が困窮しているのにもかかわらず自分やその家族の家だけやたら豪華なもの作っちゃったり、貴金属で家じゅうが埋め尽くされていたりとか過去の歴史を見ても明らかです。

 

後漢時代の中国もまさに独裁政治の弊害がモロに出てしまっていたといっていいでしょう。いちおう帝がいるにはいましたが、何もできない置物のような存在で、十常侍たちの独裁政治であったと言えますから。彼らは好き放題やれていた。

 

そんな絶大な権力をもった彼らに対してたとえ個人が批判したり歯向かったとしても、彼らを取り除くことは難しいでしょう。今回の張鈞のように消されてしまう可能性が高いわけです。

 

この場合、「権力を監視する機関」のようなものが必要だと思いますね。個人でやっても歯向かえないので、それなりに大きな力を持った監視機関を権力から独立させた形で設置すること。それが暴走する権力を抑える有効な手立てなのではないかと思います。

 

政治の乱れは国が亡ぶきっかけに

ただし独裁政治で権力側が好き勝手にやっていると当然ですが、民衆の不満は高まります。この時代でいえば「黄巾の乱」は民衆の不満が一つの発端となったわけです。

 

いちおう乱はおさまりはしましたが、政治の腐敗はそのままですし、民の生活が楽になったわけでもありません。放置しておけばやがて国が亡ぶきっかけとなるのです。

 

じっさいに黄巾の乱いこう、後漢では国の政治がさらに乱れていきます。それが新たな勢力の台頭に繋がり、やがて後漢という国が滅び三国時代という新たな時代への幕開けに繋がるんですね。

 

国の乱れ→民衆の不満たまる→国がますます乱れる→民衆の不満爆発、反乱→革命、またはそれに近いことが起きる→新たな権力者の登場というのは歴史上なんどもくりかえされてきたことですね。

 

まぁ、ここから少しずつ後漢という国は滅びの道をたどっていくわけですが、またそれについてはおいおいお話をしていきます。

 

それにしても十常侍には腹が立つぜ。

 

それではまた!!